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【イベントレポート】local next…Special 海と山が近い街・神戸で二拠点生活のススメ

これまで、二拠点生活やワーケーションをテーマに好評を博してきたイベントシリーズ「local next..」。今回はその特別編として「神戸」を取り上げ、イベントを開催しました。当日は大手町SPACESにて神戸市の魅力PR担当者、神戸⇔東京で二拠点生活を実践しているクリエイターである天宅正氏、今年から神戸市の都市型創造産業統括プロデューサーを務める藤野秀敏氏、そして「Discover Japan」統括編集長・高橋俊宏氏にご登壇いただき、それぞれの立場から神戸や地方、二拠点居住の魅力を語っていただきました。

茅葺屋根の集落が残るスマートシティ

前半は神戸市の魅力PR担当者から、神戸の魅力や取り組みについてのプレゼンテーションを行っていただきました。おしゃれな港町のイメージの強い神戸ですが、六甲山という都心から30分で行ける山を有し、近郊農家が多く、農産物の生産も多いという意外な一面を持っており、また、茅葺屋根の残る日本の原風景とも呼べる景色にも都心から車で30分で出会えるとのことで、まさに海と山、都会が合わさった街と言えます。

神戸市では「神戸2020ビジョン」を掲げ「若者に選ばれるまち+誰もが活躍するまち」を目指しプロモーションに力を入れています。移住してもらうには仕事が不可欠になるため、神戸のスタートアップ企業とのマッチングイベントを東京で行うなど出逢いの創出を積極的に行っています。

クリエイターの誘致や育成にも力を入れており、クリエイターの価値を企業に理解してもらうための啓蒙活動やクリエイターを目指す方の学びたいニーズに応え、クリエイター育成のプログラムやイベントを今後展開されるそうです。

若者が移住のイメージを変えていく

後半は3名のゲストによるゲストトークを行いました。Discover Japan統括編集長の高橋俊宏氏は地方への移住について「これまではリタイア後の移住というようなイメージだったが、最近は若い人の移住が増えている。地方で自分のライフスタイルや自分らしい暮らし方を実現するというスタイルが増えてきている」と地方移住の価値変化について語り、その背景として「都会で働いていて“働き方改革”と言われるほどしんどい働き方に(若者が)絶望してきている。地方でスタートアップや起業を経験するという判断をしてきている」「若い人たちが地方で働く・活躍することが東京で働くよりもかっこいいんじゃないかという流れができ始めている」と若者を中心に移住のイメージがよりポジティブになっていると指摘しました。

高橋氏は続けて「強い人・活躍できる人が地方に将来性を感じている。ないことに対して価値を感じる。あるいは何かを産もうという発想を持つ人のほうがクリエイティブ」と都会のように何でも揃っていないことにかえってクリエイティビティを感じる若者が増えているそうです。

「自分」というブランドで地方で働く

神戸出身で東京と神戸の2拠点生活者の天宅正氏(グラフィックデザイナー、アートディレクター)は二拠点居住のきっかけと地方で働くことの魅力として次のように語りました。

「(大学卒業後に)デザイン会社に就職して馬車馬のように働いた。あるとき、会社じゃなくて個人で北海道の仕事をすることになった。そこで会社のブランドではなく(自ら)地域に関われた。何で縁もゆかりもないところに自分のスキルを使ったんだろうと考え、地元神戸で仕事をしたいと思って探し始めた」。

今は東京で奥様と暮らしながら、神戸の市役所で働いている天宅氏。「(神戸の仕事を)調べ始めるとたくさん仕事があった。そんなときに市役所でクリエイティブディレクターの募集を見つけた」といいます。「いざ二拠点で仕事をし始めると楽しくて働いている感覚がない。毎朝4時半に起きて神戸の市役所に向かう飛行機に乗るとわくわくする。スーツの人たちの中でクリエイティブなことをするのは新鮮」とクリエイターらしい魅力を感じています。

神戸市役所での仕事内容は「デザイン思考の観点から神戸の施策をやっていく仕事をしている。前例踏襲でやろうとしていることに対して、デザインを入れる相談を職員の方から受けてアドバイスをしている。チラシの色見の話から、子どもの貧困など重いテーマやワークショップの相談を受けている」など多彩なものとなっています。

今後の働き方については「二重生活は辞めない。東京と行ったり来たりすることが神戸のためになる。新しい風がちょっとでも入るので、重要だと思う」と自分のためにも神戸のためにも今の生活を続けると強調しました。

Iターン者から見た神戸の魅力

Iターンで今年から神戸市の都市型創造産業統括プロデューサーを務める藤野秀敏氏は、神戸の魅力について「神戸の3分の1が市街地。みんながイメージしているきらびやかなところはわずが。残りの3分の1は六甲山。残り3分の1は農地。実は里山。これが神戸の魅力。観光の藁葺屋根じゃなく、身近な存在としてある。ちょっと散歩したら酒蔵がある。試飲もできる。いくらでも注いでくれる。出勤前に登山ができる。るるぶには載ってない奥深いところがたくさんある」と語りました。

高橋氏も「神戸は街。仕事はありますよね。住環境もいい。いい飲み屋もある。文化もある。地元の方は神戸に誇りを持っている。東京だと田舎から来た人の集まりなので。僕も移住したいくらいです」と応じました。

神戸をお試し体験する「ワーケーションプログラム」

ゲストトークのあとは神戸市主催で11月16日(金)~18日(日)に行われる2泊3日のワーケーションプログラムについてアナウンスされました。ワーケーションは「ワーク+バケーション」の造語です。今回のプログラムでは、神戸の自然環境の中で仕事をしたり、神戸で活躍しているクリエイターやコワーキングスペースの代表の方との交流ができたりと盛りだくさんとなっています。

※ワーケーションプログラムの詳細は(http://kobeliveandwork.org/news/2018/09/2533/)をご覧ください

イベントの最後には今回のイベントの協力企業で、神戸出身のクリエイターズマッチの代表取締役の呉京樹から同社の地方創生やクリエイター育成の取り組みについて紹介していただきました。クライアントから広告制作の案件を受注し、全国280名のクリエイターと仕事をされているとのこと。今回、JTの協賛でRethink Creatorプロジェクトを開始されました。誰もがクリエイティブ教育を無料で受講でき、コンテストに応募できるプロジェクトです。

※Rethink Creatorプロジェクトの詳細は紹介サイト(https://rethink-creator.jp/)をご覧ください

自治体やメディア、マッチング企業など多くの団体や企業が取り組む地方創生。これからもフリーランス協会では、自分らしく働く選択肢の1つである二拠点居住や移住のプロジェクトに力を入れて参ります!

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