株式会社の代表者住所の一部非表示化に関する、商業登記規則等の改正省令案の意見(パブリックコメント)募集に対し、意見を提出しました。
私たちフリーランス協会は、個人事業主や一人社長、副業ワーカーを含むすべてのフリーランスが、安心して適正に取引できる環境整備を目指して活動する非営利団体です。 このたびの「商業登記規則等の一部を改正する省令案」においては、2023年5月に当協会が、クリエイターエコノミー協会ら5団体と連名で提出した「法人登記の代表取締役の個人情報保護に関する提言書」の内容も反映頂いていることと拝察いたしております。 フリーランスにとっては、個人事業主としてのキャリアや事業成長の延長線上に「法人成り」という選択肢が浮かぶことは珍しくありませんが、現在は、法人登記によりプライバシーが侵害されるリスクから法人成りをためらうフリーランスも多く、スムーズな事業成長を阻害してしまうことがあります。 具体的には、代表者の自宅住所が公開される結果、知らない人間から自宅に郵便物が送られてくる、知らない人間が自宅に来る、インターネット上に自宅の住所が晒される等の問題が発生しており、本人のみならず同居している家族にも被害が生じる恐れもあります。また、一度、インターネット上に自宅の住所が晒されてしまうと、コピーサイト等が作られ、SNS 等でも拡散される結果、それらを全て削除することは事実上不可能となります。 こうしたプライバシー侵害が足枷となって選択が妨げられることのないよう、法人成りに挑戦したい全ての人が、安心して登記できる社会にしていきたいと考えております。そのため、省令案の方向性について、大いに賛成いたします。 他方で、現行案では、NPO法人や一般社団法人、一般財団法人の代表者の住所は対象外となっております。昨今は社会性の高い事業を志向する人が増加しており、NPO法人や一般社団法人、一般財団法人等の法人格を選択する方が、事業内容に沿うケースも十分あり得ます。 プライバシー侵害リスクはNPO法人や一般社団法人、一般財団法人の代表者においても同様であるため、NPO法人や一般社団法人、一般財団法人の代表者住所も、株式会社の代表者住所と同じ扱いにしてください。 なお、意見の趣旨としては、誰もが住所を見られる状態にしておく必要はないということであり、民事訴訟等に必要な場合に、弁護士等の専門家に限り開示することは問題ないと考えます。 ■具体的な該当箇所と意見 ・商業登記規則第31条の3第2項に基づき、代表取締役等の住所が記録される登記簿に係る登記事項証明書又は登記事項要約書に、当該住所につき、行政区画以外のものを記載しない措置が講じられれば、上記問題を解消することができるため、賛成する。 ・登記情報提供サービスにおいても、商業登記規則第31条の3第2項による代表取締役等非表示措置が講じられることについて、賛成する。 ・組合等登記令第25条において、商業登記規則第31条の3を準用すべきである。 ・一般社団法人等登記規則第3条において、商業登記規則第31条の3を準用すべきである。 ・各種法人等登記規則第5条において、商業登記規則第31条の3を準用すべきである。 |
改正案の詳細と意見募集については、こちらをご参照ください。