『フリーランス&“複”業で働く!完全ガイド(日経 MOOK)』の巻頭インタビューにご登場くださった、タサン志麻さん。本誌で収録できなかったこぼれ話をお届けします!
幸せな匂いに包まれながら取材スタート!
取材は、志麻さんの料理に魅せられてリピート依頼しているお宅をお借りして行われました。玄関を開けると、ふわ〜っと食欲をそそる香りが漂います。初めて来るのに、思わず「ただいまー!」と叫びたくなるような、おうちごはんのいい匂い……! 志麻さん、コンロ3つを同時並行で使いながら、切って、炒めて、煮込んで、調味してと、どこにもムダのない動きでお仕事の真っ最中でした。
なすと豚肉の中華いため、肉じゃが、具だくさんの野菜スープにグラタン……! テーブルに次々と料理が並ぶ様子は、さながら魔法のよう。しかも手を休めることなく、質問にも答えてくださる。これを神業と言わずしてなんと言うかと、とにかく感嘆しきりの取材班でした。
家庭料理を、もっと気軽で簡単で楽しいものにしたい!
何より驚くのは、冷蔵庫にある材料を使って、その場でメニューを組み立てている、ということ。
「これがないと作れない、これを入れないとおかしい。そんなふうに考えると、料理のハードルはどんどん上がってしまいますよね。でも、家庭料理って、そのおうちごとの味があるのが楽しい。今は肩の力が抜けて、食べてくれる人の顔を想像しながら作ることができるのが幸せです」と志麻さん。
依頼者のなかには、志麻さんと一緒に作業をしたり、メモとってレシピを書き留めるかたもいらっしゃるそう。
「一緒に作ったり、レシピをお伝えしたり、直接、食べてくれる人とコミュニケーションがとれるのって、おうちに伺うこの仕事ならでは。『この表現だと分かりにくいかな?』なんて、私にも発見がたくさんあるんです。いろいろなおうちのキッチンに立って得た経験を生かして、おうちごはんがもっと気軽で、楽しくて、大切なものになるような発信をしていきたいですね」
瞳を輝かせる志麻さんは、全身にエネルギーが満ち溢れているよう。でも、志麻さんも、迷いなくこの場所に立っているわけではありません。異色のキャリアを築くまでには、もがき、苦しみ、どうしようもなくなって逃げ出した過去もあったのです。
本誌では、志麻さんが自分にとっての理想の働き方を見つけるまでの葛藤、そして思い描く未来についてじっくりうかがっています。ぜひチェックしてみてください!
タサン志麻さん
profile/調理師学校卒業後、フランスの三つ星レストランで修行の後に帰国し、フレンチコックとして15年勤務。2015年から家事代行の仕事を始め、「伝説の家政婦」としてNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』や各種メディアで話題沸騰。著書に『志麻さんのプレミアムな作りおき』など。
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(取材・文 浦上藍子、撮影 小林 学)