プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会

2020年は『信頼資本主義』へ ~日経 新春企画「識者が語る 逆境の資本主義」より

あけましておめでとうございます!代表理事の平田です。

皆さん、今年の年末年始はゆっくりお休みできましたか?私は協会設立して以来初めて、「PCを一日も開かず連休を過ごす!」と決めて、何もしないことに気が滅入りそうになりつつも、なんとか達成しました。そんな言い訳もありつつ、2019年の振り返りと2020年の所信表明のブログを書こう書こうと思いながらまだ書けておらず、お恥ずかしい限り。

それは今しばらくお待ちいただくとして、日経の「識者が語る 逆境の資本主義」という新春企画でインタビューを受けました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53823970W9A221C1000000/

錚々たる”識者”の方々に紛れてどういうわけか私のようなちんちくりんが末席を汚してしまい、恐れおののいているのですが(末席の文字通り最後に登場)、「これから向かうべき資本主義のあり方について、『○○資本主義』という表現で一言お願いします」というなかなかザックリとした振りだったので(笑)、うーむと考え込んだ末に、私からは『信頼資本主義』というキーワードをご提案申し上げました。

これだけ大勢の方がいながら、一人として被っているキーワードがないところに、世の中で生じている問題や傾向の多様性を感じますね。(自分の関心事が世の全ての関心事だと思ってはいけないな、と)

それにしても、見落としでなければ、私以外の日本人女性がいないような??(外国人女性を含めても女性は全部で3人くらい?)そして30代と思われる人も片手で数えるほど。だからどうってわけではないのですが、”識者”にも多様性があると出てくるキーワードももっともっと多様になるでしょうから、ここでは見えていない資本主義の新たな潮流もあるんだろうなぁなんて思ったり。

なぜ信頼資本主義なのか?

第一に、企業は経済的資本だけではなく、信頼資本を蓄積していくことが、企業存続のためにも重要な要件になってきています。

これまでは企業はゴーイングコンサーンで利益創出が存続条件とされ、経済的価値を第一に追求してきました。しかし、少し前にアメリカの経営者団体が株主至上主義からの脱却を提唱したように、企業に求められる価値はそれだけではなくなってきています。

マイケル・ポーターがCSV、つまり 企業が社会課題解決に対応することが経済的価値と社会的価値の創造をを両立させるという「共有価値の創造」を提唱してから、もうすぐ10年になりますね。私はその頃、大学院生でインパクトインベスティング(今で言うESG投資やクラウドファンディング的な社会性を重視した投資)について調べていました。社会起業家やBOPビジネスに注目が集まったりもしていましたが、修論発表では、本当に経済性ではなく社会性で投資先を選ぶ人なんているの??とビジネススクールの同期たちにキョトンとされた記憶があります。

10年前は一部の社会意識の高い界隈でしか注目されなかったこうした考え方も、最近ではSDGsということであらゆる企業の普遍的なテーマになりつつあることに感銘を覚えています。

また、個人にとっても、今まで以上に信頼が大切になっていきます。

これからは個の時代になると言われて久しいですが、それは、みんながみんな企業の垣根を飛び出して独立するということではなく、個人の信頼が問われていく時代になるということです。

企業に属さずとも発注主と対等な交渉力を持って渡り合うような独立系フリーランスは、今後増えたとしてもせいぜい日本の労働人口の1~2割程度でしょう。しかし、副業や兼業にチャレンジする人はもっと増えていくでしょうし、定年退職後のシニアや主婦の方にも業務委託で仕事をするチャンスが広がっています。

そして何より、普通の会社員あっても、会社の看板に頼って仕事をするのではなく、自分ならではの仕事や付加価値を生み出せるかどうかが問われていきます。つまり、自分のクレジットを付けることのできる仕事や付加価値の蓄積が資産となって、キャリアや、人とのつながり、幸せを生み出していく、そういう時代になっていくように思うのです。

だからこそ、と我田引水するわけではありませんが、フリーランス協会のビジョンである「誰もが自律的なキャリアを築ける世の中」に向けて、私たちがやるべきことはまだまだ沢山あります。

具体的にどんなことをするかはまた書くとして、2020年も、一歩ずつ真摯に取り組んでまいりたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます!!!

平田麻莉

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