【イベントレポート】副業は本業の異職種がおすすめ!?リスク回避しながら学びの場を手に入れよう

株式会社エンファクトリーが、今年11月にサービスの提供を開始した「副業特区」はご存知でしょうか。これは、副業解禁の“リスク”を企業が可視化でき、副業活動によるメリットを享受するためのサービスなんです。

出所:https://enfactory.co.jp/news/2019/11/18/100058

エンファクトリーは、2017年から「Teamlancer(チームランサー)」 というサービスを提供しています。これは、パラレルワーカーやフリーランサーとして活躍している、もしくは活躍したい人々が学びや参画プロジェクトを発掘できる機会を提供するプラットフォームなのですが、そこに「副業特区」が新たに加わりました。

そんな「Teamlancer」の新サービス「副業特区」に紐づくイベントが、この「副業特区」会議です。全3回+特別講義1回が行なわれる本会議では、有識者が登壇し副業の効能や課題が共有されます。

その第1回目「副業解禁における企業リスクヘッジ」が、11月25日に六本木ヒルズ「PARK6」にて行なわれました。

<勉強会その1>森・濱田松本法律事務所 パートナー 弁護士・ 荒井太一さんによる「副業解禁における企業のリスクヘッジ」

日本の労働者の熱意は世界最低レベル

森・濱田松本法律事務所 パートナー 弁護士・ 荒井太一さんからは、「副業解禁における企業のリスクヘッジ」をテーマに勉強会が行なわれました。

「日本型の雇用」をしてきた企業にとっての、働き方改革(副業解禁)の導入の難しさや、キャリア形成などについてひとつずつ深堀りした荒井さん。

「日本の労働者の熱意は世界最低レベル(「熱意あふれる社員の割合」が、139カ国中132位。米調査会社 Gallup 調べ)」という調査結果に触れ、「日本型の雇用は、雇用が保証されている代わりに自分で職務を選べない」という特徴も指摘しました。

日本は人材の流動性が低く、また、任された職務への満足度が低くても働き続けている場合も多く、熱意が上がりにくい要因の一つと考えられます。

副業することは、社内では得られない知識を身につけたり、新しい人脈を作ることにもつながり、本人の働く意欲向上にも良い変化を生むはずです。

「第一回兼業・副業を通じた 創業・新事業創出に関する研究会 説明資料」の調査によると、「副業と本業で仕事内容がかなり異なる、もしくは全く異なる」と答えた人が、回答数全体の4分の3におよびます。社員が会社の外で新しい分野の知見をつけることが、所属する会社にも競争力アップや事業機会の創出などのメリットをもたらすことが期待できます。

また、荒井さんは、「そもそも、キャリア形成は自己責任であることを自覚すべきで、会社への過度な期待はするべきではない」とも言います。「本業は、雇用されることで得られる保証に対して誠実に働き、キャリア形成は副業・兼業で模索することが最適なのでは」(荒井さん)

<勉強会その2>一般社団法人Work Desigh Lab代表理事の石川貴志さんより「現場での事例を踏まえたリスクと効果」

副業を通して、等身大の自分や本業のメリットを実感することも

荒井太一さんによるセミナー終了後に続いて登場したのは、一般社団法人Work Desigh Lab代表理事の石川貴志さん。テーマは「現場での事例を踏まえたリスクと効果」でした。

石川さんが運営する、「一般社団法人Work Desigh Lab」は、会社員や経営者、フリーランスなど、多様なバックグラウンドの方々が副業として参画しています。皆さんの様子から、「収入よりも、学びの機会の獲得を最たる目的としている方が多い」と感じるそうで、企業が副業・兼業を導入する際も、社員の成長機会の獲得・推進を目的とすることが成功のポイントになるのではないかとアドバイスしています。

 そして、企業にとっても副業・兼業実施することにより、「社員の成長機会を獲得できる(能力開発/興味開発)」「社員の活動を通じて新しい知識や人脈を獲得できる」「社員の退職防止」などの効果が期待できるとのことです。

会社員が、企業内の決まった環境だけで、興味や知識、人脈を満足に広げることは難しい場合もあります。ですが、「外の世界(副業・兼業)」で経験や知見を得て、それを本業にも持ち帰って活かすといった循環が生まれると、企業側、働き手側双方にとっても非常に有益と言えそうですね。

※出所:https://teamlancer.jp/documents/20191118.pdf

 Work Design Labで開催したワークショップでは「副業は、お金を稼ぐというより人生を豊かにしてくれるもの」という感想が上がりました。自分の「強み」にも気づくことができ、副業・兼業に対して「何から手をつければよいのかわからない」という手探り状態から、一歩踏み出すことができたのではないでしょうか。

「クライアントが本業とかぶる場合は?」と「副業の労働時間の把握はどうしたら?」など、疑問が続々

最後に行なわれた質問コーナーでは、リスクや守秘義務などについての疑問の声があがりました。

「“情報”は守秘義務というのはわかるが、“本業で得たスキル”はどこまで外に持ち出して良いのか」「広告代理店などのマルチクライアントの場合、副業・兼業で関わるクライアントともバッティングしやすいがどうなのか?」といった質問があがりました。

荒井さんは、「スキルは本人が培ったものなので外で活用しても何も問題ありませんが。しかし、やはりそもそも本業と副業・兼業で同じ職種を選ぶことはおすすめしない」とのこと。クライアントが重なることも、本業の会社から許可が出ていれば問題ありませんが、やはり避けたほうが安心だそう

石川さんも、「副業では『興味はあるが本業では挑戦しにくい別職種』を選び、学びの場としても活用するという考え方もおすすめ」とアドバイスしました。

また、特に企業側が副業・兼業を進める上で最も懸念点となっている、「通算労働時間の責任問題の範囲」についても荒井太一さんが解説してくれました。それによると、本業とする会社側には、従業員の副業・兼業の労働時間の把握はについて責任はないとのこと。

今のところ法律で義務付けられているのは「本業の社内における労働時間の把握」のみだからです。

しかし、副業・兼業は、その制度自体がようやく動き始めたばかりです。これから法整備も進み変化していくことが予想されます。

最後に

副業・兼業は、認めていない企業がまだまだ多いのが実情ですが、急速に労働人口が縮小している今の社会で、「魅力的な人材の確保」はどの企業にとっても避けることのできない課題です。

優秀な人材を確保するためには、さまざまな取り組みが企業側にも求められます。

副業・兼業は「働く環境を魅力的にする」ことのひとつであり、日本の働く環境を変えていく大きな分岐点なのかもしれませんね!

「副業特区」会議、第2回は2020年 2月20日(木)六本木ヒルズ内PARK6で開催予定です。テーマは「副業解禁効果の最大化〜人材育成、組織開発、評価マネジメント、イノベーション誘発〜」が行なわれます。ぜひお越しください!

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