【イベントレポート】2020年4月27日(月)50代サバイバル ~人生100年時代を生き抜くキャリア戦略~をライブ配信いたしました。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い中止となったリアルイベントを急遽オンラインに切り替え、『50代サバイバル ~人生100年時代を生き抜くキャリア戦略~』 としてLive配信いたしました。

本レポートは、イベント参加者からご提供いただいたイベント議事録を基に、トーク部分を抜粋し構成しております。イベント議事録の共有並びに掲載にあたり快諾していただいたN様ありがとうございます。

最後にイベント動画もございますので、イベントレポートと一緒に是非ご覧ください。

登壇者プロフィール

■古賀正博氏
福岡県中小企業経営者協会常務理事 / 株式会社FUNWORK顧問
大牟田市出身。1991年九州松下電器⼊社し⼈事部配属。以来約20年にわたりPanasonicグループにて人事関連業務に従事。2008年に九州大学大学院経済学府産業マネジメント修了(MBA・経営修士)。2010年福岡県中⼩企業経営者協会に⼊職、現在常務理事。2019年には100年時代に備えミドル・シニアのキャリア開発を行う㈱Funworkの設立に関与、顧問に就任。その他、九州⼤学・福岡大学、福岡女学院大学⾮常勤講師等、教育・就職関連機関を中⼼に様々な⽴場の職を務める。キャリア関連講演実績多数。大人のインターンシップなどミドル&シニアのリスタートアップを支援する株式会社FUNWORKにも参画。  

■坂口光一氏
一般社団法人イドビラキ代表理事/SHO-CHU プロジェクト代表/九州大学名誉教授など
大牟田市出身。工学系の学部・大学院に在籍した後、1980年〜地域シンクタンク(分析・計画業務)、1996年〜大学(起業家精神育成プログラム開発、産学連携スタートアップ、ビジネススクール起ち上げ、技術と感性融合研究プロジェクト推進、ユーザー感性学大学院の設立・運営)、2019〜自ら設立した一般社団法人イドビラキ、と専門フリー・好奇心本位で様々な現場を転戦。現在は「ローカルな井戸を開き、本質・根源を耕す」という理念のもと、ひと・もの・まちの可能性をひらく協働クラフト事業を模索中。焼酎をこよなく愛す。動物占いは「楽天的な虎」
『ふくおか人物図鑑』

■中村龍太氏 
複業家・ポートフォリオワーカー・フリーランス協会 パラレルキャリア推進PJリーダー
1964年広島県生まれ。大学卒業後、1986年に日本電気入社。1997年マイクロソフトに転職し、いくつもの新規事業の立ち上げに従事。2013 年、サイボウズとダンクソフトに同時に転職、複業を開始。さらに、2015 年には NKアグリの提携社員として就農。現在は、サイボウズ、コラボワークス、自営農家のポートフォリオワーカー。2016年「働き方改革に関する総理と現場との意見交換会」で副業の実態を説明した複業のエバンジェリストとして活躍中。2020年3月19日にエッセンシャル出版より『多様な自分を生きる働き方』出版。COLLABOWORKS


50 代が置かれている環境 

 70 歳までの労働そして人生100年時代の到来。人生のゴールが先に延びてしまった。コロナの影響でテレワークが強制的にはじまり、具体的な成果物を示すことができず妖精さん(立ち振る舞いだけの人) と正体がバレてしまったミドル層も少なくない。 社会の変化が激しくスピードが速い組織の中で、変化対応力を身につける。そして楽しく生き定年のない世界へ身を置くには一体どうすれば良いか、皆んなで考えよう。(古賀)


私の50G複業人体実験 ! 中村龍太

「副業」と「複業」の違い

ゴミ捨て1つとっても、そのゴミ捨てに価値創造をもたらすことができるのであれば、それは業。複業のきっかけとなる。収入以外の価値創造が多様な関係性へと広がる。お金儲けの副業ではなく、まずは幸せから複業を定義することからはじめてみよう。


複業家「新しい働き方の実践社員」として 

49歳50代も外資系で今と同じように働き続けることができるか不安 が頭をよぎった。そしてサイボウズ青野社長のfacebook投稿のコメントがきっかけとなり、マイクロソフトからサイボウズに転職。転職によって補えない給与をどうすれば補填できるか。社労士・税理士に相談すると、支給額は減るが手取りをできるだけ最大化させる方法を提案される。 そこでサイボウズの支給額が決まった後、ダンクソフトに役割金額提案を行った。サイボウズでは雇用契約(サラリーマン)、ダンクソフトでは個人事業主の業務委託契約を結び、2社同時転職を果たす。子供の教育費などで一番お金が必要な時期の転職が、奇しくも複業家のスタートとなった。
ポイントは、複業する業に関連性を持たせ引き裂かれないようにしたことだった。

複業のメリット、デメリット

個人から見たメリット企業から見たメリット
・知識を増やし、スキルを高まる
・人脈を広がる
・モチベーションを維持向上
・収入増
・将来のキャリアプランが豊かに
・リフレッシュできる
・幸福感が高まる(貢献できる喜び) 
・採用力の強化
(職場としての魅力向上。異能な人材を登用できる)
・オープンイノベーションの創造
(社外の知識を取り込む)
・生産性の向上
(リフレッシュ効果)
・マネジメント力の向上
(働き方の多様化を促進できる)
・個人の自立を促進
(ぶら下がり社員を減らす)
・ハイレベル人材の登用
(フルタイム分の給与が不要) 
個人から見たデメリット企業から見たデメリット
・虻蜂取らず (複数の業務を上手にマネジメントしながら成果を上げていかないと、どちらからも信頼を失うリスクあり)

・頑張り過ぎる (時間管理に失敗して働き過ぎるなど、健康上の問題が起きるリスクあり)

・情報に神経質になる (どの情報を利用して良いかわからなくなり仕事が萎縮する )

・効果が未知数で不安 (時間を減らしても現業の成果が減らないか? 情報漏洩や企業ブランドの毀損が起きないか? )

・本業との競合 (本業の仕事を複業で受けさせてよいか?) 

・労務管理 (社会から働きさせすぎといわれないか? )

・社会保険の負担 (週 20 時間未満働く会社は負担しないため、負担が偏る)


参加者との質疑応答
Q1.複業をはじめたきっかけは? 

(龍太)50代に入り体力気力が衰える中、このままのペースで働き続けられるのか。将来に対する不安を非常に感じた。不安に押し潰されずにいるために、不安だからこそ舟から飛び降りた 。

Q2.副業禁止の中で、新しい一歩踏み出すには?

(龍太)サラリーマンは「ありがとう」をあまり言われない 。出来て当たり前、出来なかったら問題となる 。会社はそもそも「ありがとう」を介さずにうまく回る組織になっている 。「ありがとう」のコミュニケーションがなくても、合理的・効率的に回るルールが定着しているので、1 つの会社だけで「安心感」・「貢献度」・「幸福度」全てを満たすことは難しい。「安心感」は今の会社で。 「貢献度」・「幸福度」はボランティアなど別の組織で得ることも一つの手段。


(古賀)まずは、仕事の休日に好きなことや会社とは別のコミュニティで活動してみてはどうだろうか。直ぐにお金にならなくても、今の仕事以上に盛り上がりムキになれるプライベートな時間が過ごせ仲間が見つかれば、しめたもの。飛び込んだ後に自分の中で手応えがあるのか、進むべき道なのか決めてみてはどうか。

Q3.誰かから声がかかるようにするには? 

(龍太)ちょっとしたことで良いので自分のできることをSNSでつぶやいてみる。自分の場合は、ドローン空撮。こんな画像が撮れるとfacebook で投稿したところ、興味を持った農家から相談がきた。そこで、勇気を持って費用をお伝えし、HPにドローン空撮動画をアップすることになった。そのようにして信頼関係を築いた経験がある。大切なのは「自分をさらけだす勇気」。踏ん切りが必要だが、その一歩は大きい。

 (坂口)自己開示することは、スキルや肩書のような情報だけではない。自分のついついやってしまう癖、抜けているところ、弱さが相手からすると親しみや面白さになる。言語化しにくいファジーな部分に、人柄が見えると声を掛けられやすい。人柄がSNSのフィールドから滲み出ると親しみが湧き心理的距離がぐっと縮まる。スキルや能力だけでなく、マインドやメンタリティを開示してみよう。

(古賀)最初は自分に自信がないから自己開示できないが、できることを増やすことで、自分に自信が湧いてくる。私も初めの頃は安請け合いで仕事をしていたが、必ず価格以上の結果を出すよう努力した。その後、自分の仕事に値段がつき自信になった。それからは仕事が選べるようになった。 

(坂口)まずは、バルーンを上げないとスタートもしない。 その人の仕事に対するスタイルは、経験を重ねるうちに出てくるもの。その人自身の仕事への向き合い方が滲み出ないと、人は寄ってこない。これまでは放熱力のある人が求められていたが、今後は吸熱力のある人が大きな価値を持つ時代になると思っている。
放熱<吸熱
放熱 : こんなことできますと巻き込む力(水平成長:スキル/能力・アプリ)
吸熱 : こちらから近づきたくなる引っ張られ力、巻き込まれ力(垂直成長:人柄/人格・OS)

Q4.50 代のこれからの生き方とは? 

(坂口)自らの経験では(イベント開催当時66歳)、新しいもの「業というよりもプロジェクト」に首を突っ込み 、興味関心が重なる人達との交流や企み事が自分の人生のリターンとなっている。 そして同質性を求め異物異質を排除する日本社会から解き放たれると、より自由で豊かな人生が待っている。十人十色でなく一人十色がいい。一色に染まるのが一番よくない。

人生の転換 正午の革命(ユング) 

ユング「人生の転換期」

人はいずれ死ぬことを納得することも大切だ。 40~50 代が正午(南中点) とすると、午前と午後では生き方は全く違う。 しかし、未だに若い青年心理(右肩上がり) で闘い続けなければと思い込んでいるミドルシニアが多い 。人生の前半戦は、組織や社会に個人を当てはめていたが、後半戦は個人を尊重し新しい意義で生きていく必要がある。
因みに、サバイバル(survival)は「生き残ること」だが、ラテン語の語源(supervivere)は live beyond困難などを乗り越え生きる」という意味がある。午前から午後を生きていく世代には、固定観念・成功体験・ポジション(地位) など人生の後半戦に向けて一度棚卸をする必要があるのではないか。

(龍太)「安心感」・「貢献度」・「幸福度」は、「金融資本」・「人的資本」・「社会資本」によって形成 される 。環境や自分の置かれている状況に合わせ、育み、貯蓄する。今後益々貨幣価値が下がる中、人との関係性(社会資本)はより重要だと感じている。要するに、この部分を貯金する。→ 貯蓄する。

(坂口)私は、脳性まひの障害を持つ小児科医熊谷晋一郎さんの自立の定義に考えさせられた。ふたつの「ジリツ」について考えて欲しい。 

自律:自分で決める
自立:依存先を増やす(いろんなところに分散する)、お互い様の世界で立っている

 参考:自立は、依存先を増やすこと 希望は、絶望を分かち合うこと(熊谷晋一郎さん小児科医/東京大学先端科学技術研究センター・特任講師)

アフターコロナのSDGsのSは、「自分(Self)と社会(Society)」という2つのSを、二元論じゃなく不可分のものとしてとらえる議論が出てくるように感じる。

(古賀)Stayhome で、いつもより時間がある今。自分なりの幸せを定義してみてはどうか。まず普段の忙しい自分をゆるめ自分を感じる時間をとる。自分に素直に自分を捉え直す機会が与えられているのではないだろうか。人生の後半戦は舞台(会社・肩書き)にこだわらず、様々な舞台で踊ってみてはどうだろう? 何のために、どんな風に踊ろうかと考えチャレンジすることで「あるがままの自分」が姿を現すのかもしれない。


イベント終了後の参加者とのフリートーク

※イベント終了後、希望される方のみ残っていただき登壇者とのフリートークの時間を設けました。参加者のお顔が写っているため、動画では省略しております。ご了承ください。

Q1.右肩上がりに慣れ過ぎて悩んでいるミドルシニアへのアドバイスは? 

午前は、組織の一員として経験を積んだ。午後は組織から個人へ。自分を見つめなおす時と受け止めてはどうか。(株式会社FUNWORK代表 堀)

50 代になり一定レベルで自分自身を信じようかと思えるようになった。ある程度経験を積み、がむしゃらにやってきた自分を今更
疑っても仕方がない。自分を捉え直し、腹をくくることからスタートして欲しい。(古賀)

午後を下り坂と捉えるのか、成熟と捉えるかによって変わってくる。(坂口)

自分の琴線に触れるモノへの感度が鈍っている同年代のサラリーマンが多いように感じる。 最初の一歩を踏み出せない人には黄昏研修ではなく、数ヶ月間ソーシャルビジネスに関わるような大人のインターンシップをお勧めしたい。そのような場に身を置き自分を揺さぶってみると、自分にとって大切なものは何かと気づきを得られる。(古賀)

大切なのは事実を見ること。蓄えたお金はどれぐらいあるのか? 自分の資産を確認した人は、ほとんどいない。 「金融資本」・「人的資本」・「社会資本」を見える化してみて欲しい。(龍太)

人は仕事をしなくてもいい未来がもうすぐやってくる 。しかし「人生を楽しむ」という仕事が待ち受けている。 ケインズは余暇を楽しむ時間が増えることを示唆していた。「人生を楽しむ」とはマニュアルのない仕事であり、 「楽しむ」は意識的にやらないと続かない 。(坂口)
参考:孫たちの経済的可能性 ジョン・メイナード・ケインズ 

Q2.20 代参加者が感じるミドル層との理想的な関係とは? 

ロバート・デ・ニーロが新人シニアインターンそしてアン・ハサウェイがファッションサイト社長を演じた映画『マイインターン』のような関係性 は理想だと思う。フラットな多様性ある中で、楽しく一生懸命、相手を受け入れ、 声を聞いてくれる人と一緒に働きたい。一方で苦手だと感じるミドルは、 自分の価値観や常識にとらわれ歩み寄れない人 。(20代参加者) 

コミュニケーションのプロトコル(約束事)を再定義する必要がある 。意見が異なる場合でも、それぞれの現実と理想のギャップが何なのかお互いの立場に立ちすり合わせることが必要だ。 得てしてイケてないおっさんは、自分の意見を一方的に言いがち。対立を深めないためにも、それはやめておこう 。(龍太)

Q3.ミドルシニア層の転職支援をしていると、副業を前提に転職を希望している人が多い。しかし副業を解禁していない企業が多いのが現状。今後副業はどうなっていくと思うか? 

70 歳までの雇用が必要になる中、再雇用は企業にとって大きな負担となる。今後、副業解禁する企業が急速に増えることが予想される。既に優秀な人材を獲得するための手段として、副業を解禁する企業が増え始めている。また労働の流動性も必然的に高まり、プロジェクト毎に人を集めていくよう スタイルになるだろう。(株式会社FUNWORK代表 堀)

既に副業解禁している企業にとっては、副業は社外の知識を取り込むオープンイノベーションの創造として歓迎されている。優秀な人材を丸抱えできる資金はないが、プロジェクトベースで週 2日だけでも関わってほしいと思う中小企業は今後益々増えてくるであろう。組織と人の関係性が変わりつつある。 (古賀)

コロナをきっかけに「ニューノーマル」 が注目されて喜ばしいと思っている。新しいノーマルをやらなければ生き残っていけない。ニューノーマルの取組みを拡げていきたい。(坂口) 

Q4.副業ができないまたは 副業を解禁しているが制約が多い(雇用契約はNG等)会社へはどのように交渉すべきか。アドバイスが欲しい。

一般的なのは、36 協定の雇用主間でのやりとりの煩雑さ。業種特有の通例、過去の慣習や事務手続きの負担増の問題ではなく、ただ単に前例がないだけかもしれない。素直に何故できないのかを聞いてみることをお勧めしたい。(龍太)

企業を含め組織は、小さな穴を誰かが執念を持って空けないと広がっていかない。一度広がると、どっと雪崩が起きるのが日本企業の特質。困難だけれど、あなたが最初の風穴を開ける人になって欲しい。(古賀)

イベント動画

イベント動画もよろしければご覧ください。※イベント終了後の参加者とのフリートーク部分に関しましては、参加者様のお顔が写っておりますので、削除しております。ご了承ください。

当日は全国各地より200名近い方にご参加いただきました。今後も、オンライン・オフラインを含めミドルシニア層のキャリアに関するイベントを開催させていただく予定です。今後のイベント情報につきましては、Facebookやメルマガ等で告知致しますので、是非フォローの上、ご参加ください。

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