フリーランス白書2022公開によせて

フリーランス白書2022の冒頭に、今の想いを載せました。何のこっちゃと思われる人もいるかもしれないので、少し背景を補足します。

私たちは、労働者の権利を求めたことはありません。労働者性を認めてくれとか、社会保険料を取引先に負担してほしいとか、そういう主張は設立以来一度もしていません。

一貫してミッションに「キャリア自律」を掲げ、独立した自営業者の自覚と責任を持ちながら、働き方によって差別されない、働き方に中立な社会保障制度の整備を求めています。そうしないと、働き方の多様性は広がらないからです。

 

今回、フードデリバリー配達員のグループインタビュー全6回全てに参加しましたが、何より驚いたのは、高いプロ意識を持ってこの仕事に充実感を見出し、日々改善向上しようとしている人の多いこと。
私もそれまでメディアの論調に引きずられて、ここまで誇りとやりがいを持ってフードデリバリーの仕事と向き合っている人たちがいるとは予想していなかったので、生の声を聞けて大変勉強になりました。(正直言って、もっとプラットフォームへの不満がボロクソに出てくるのかな、なんて思っていました)

そして、「マナーが悪く搾取される底辺の非正規労働」というような報道のあり方に傷付き、その影響で心無い対応や嫌がらせを受けている人の多いこと…。
せっかく自営業になれたのに、変に介入されて会社みたいにしてほしくないという発言もチラホラありました。(ユニオンに代表者性を感じないという声は、実際SNS上でも散見されます。確かに構成人数を見れば、果たしてどれだけの支持を得ているのかは明白なのかもしれません)

インボイス制度についても同様です。制度について婉曲した解説を拡散して、反対しないとフリーランスは仕事が無くなる(だから◯◯党を応援しよう)と煽る勢力があります。
しかし、私たちの会員・フォロワーの反応を見ていると、負担や不安を感じている人もいる一方で、冷静かつ建設的に受け止めて、噂に流されることなく自分なりの選択をしようとしている人も多いと感じます。

特定のエピソードだけを取り上げて、いかにも「みんなそう言ってる」みたいなアプローチは、曲がりなりにも研究者を目指していた身からすると違和感を禁じ得ません。
だから今回も、ワードで体裁を整えてくれた白書チームメンバーには大変な負荷をかけたけど、自由回答も全件公開にこだわりました。(結果、フーデリパートの自由回答は8698人分で840ページにもなりました汗)

 

参院選を前に、フリーランス保護とかインボイス反対とか騒がしくなってきています。我々に対してもいろんなアプローチがあります。コロナで注目された「かわいそうな」フリーランスの存在は、票田になると考えている人たちもいるかもしれません。

でも、私たちはフリーランスを政治的に利用しようとする動きには与しないし、特定の政党・団体の支援はこれまでもこれからも行いません。(フリーランスと会社員の格差を是正しようと頑張ってくださっている議員の方々には政党関係なく全て感謝していますし、ヒアリング等の依頼にも分け隔てなく協力しています)

調査票拡散の協力をしてくれたJaFDA(日本フードデリバリーサービス協会)さんにも一次集計の定量データは報告しましたが、白書の全容は公開までお見せせず、完全にお任せ頂きました。JaFDAさんはハラハラしたのではないかと思いますが、業界の発展のためには配達員の生の声を聞いて改善すべきところは改善していくことが大切だという姿勢で、託してくれました。

一部の誰かの恣意的な考えや利害関係によって、多くの人たちの意思が、最大多数の最大幸福が、歪められることのないようにしたい、というのが、そもそもフリーランス協会を立ち上げた理由なので。

誰の回し者にもならない、何にも縛られない、そういう働き方を私たちは選んでいるのです。

#フリーランスプライド

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