プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会

【プレスリリース】こどもの日にちなんで、「#フリーランスが保活に思うこと」イベントとアンケートの結果を発表

個人と企業が連携した国内初のフリーランス支援組織として設立された一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 http://freelance-jp.org (東京都品川区、代表理事 平田麻莉、以下「フリーランス協会」)は、フリーランスの保活経験者を対象にアンケートを実施し、「保活」の課題に関するリアルな声を集めました。2017年3月1日(水)にハフィントンポスト日本版と共催したワークショップイベント「#フリーランスが保活に思うこと」の様子と合わせて報告いたします。(※プレスリリースはこちらから)

アンケートでは首都圏を中心に、フリーランスならではの保活の課題に関して、様々な生の声(自由回答)が集まりました。働き方改革実現会議が発表した「働き方改革実行計画」の中で、子育てや介護との両立手段として「テレワーク」の推進が掲げられていますが、リモートワークを主とするフリーランスであっても、保育環境なくしては仕事を諦めたり、セーブせざるを得ない状況が明らかになりました。

イベントは、ちょうど認可保育園の合否結果が見えた時期だったこともあり、80名を超えるフリーランスやこれからフリーランスを目指す方々が来場しました。ゲスト4名によるトークセッションの後は、グループワークでフリーランスの保活をとりまく課題と、課題を解決するアイデアを議論しました。多様な働き方を実践しているからこそ、保育に関しても多様に選択できる仕組みを求める声や、保活の申請を受ける自治体のフリーランスへの理解、申請フォーマットの会社雇用以外への汎用性を求める声が多数上がりました。

今後はフリーランスワーカーが保育園申請時に直面する課題を見える化すると共に、認可保育園に限らない「多様な保育」を各世帯の働き方や教育方針に合わせて選択できる社会の実現に向けて活動していきます。

具体的には、【企業主導型保育所】の質の担保を伴う設置推進や、施設側ではなく保育の需要者である子育て世帯側へ補助金を交付する【保育バウチャー制度】の実現を目指し、提言の準備をしてまいります。

【「#フリーランスが保活に思うこと」アンケートまとめ】 
実施日:2017年2月20日〜3月15日実施(n=78)
回答者:会社員以外の多様な働き方で保活経験のある方

特に23区・横浜・川崎エリアでは申請した保育園数も多く、業務を維持するためにかける保育料も高額傾向が見られました。

■フリーランスの保活の大変さは具体的にどのようなところだと思いますか?(以降、すべて自由回答)

・時間が自由に調整できそう、休むのも簡単と思われ、収入を得る切迫感が伝わらない。

・就労の実態が分かりにくいからか、売上の入金を証明するために、銀行通帳のコピーまで提出を求められる。産前産後で仕事をセーブすると直近の収入が少ないので、仕事を証明しにくい。

・単純に育休の人より点数が低い。自分の地域ではまだ働いていない(これから働きたい人)とフリーランスは同じ点数だった。

・会社員と同時間、もしくはそれ以上の長時間働いているのに、時間に融通がきくと思われてポイントを低く付けられてしまう点。

・「家でこれだけ稼げるならそれでいいじゃない」と自治体担当者に思われる。一度離れたクライアントに戻ってきてもらうのがどれだけ大変かをなかなか理解してもらえない。産休・育休ポイントがつかない。

・子どもをみながら仕事をしていると同伴就労とみなされ減点されるなど、自治体の制度がそもそもフリーランスという働き方を想定しておらず、働き方改革に追いついていない。

・経済的な理由で働いていると思われないところ。好きで勝手に仕事をしている、と思われてしまう。

・自由が利くと思われるし、生活に余裕があると思われる。結果、優先順位は下がる。結局2歳半まで待機児童でした。

・ほぼ外勤だったのに、自宅をオフィスにしているため内勤とみなされてしまったように思う。外勤証明の難しさを感じる。

・フリーの自営業の存在に理解がない、クライアント先常駐が理解されない、プロジェクトにより繁忙に差があることが理解されない、書類でクライアント先の固定電話の連絡先を求められる

■保育園に預けられないために、苦労したこと、止むを得ずこう乗り切ったことなどあれば具体的にお書きください。

・認証や小規模など、とにかく入れる所を転々とした。

・シッティング付きの子連れで行けるコワーキングスペースは何度か利用した。

・夜中や早朝など、子どもが確実に寝ている間に仕事をし、それでも回らない時はおんぶしながら仕事をした。

・保育園に入れなかったので、夜中に子供が寝てから仕事をして、昼寝の時間に一緒に寝るという昼夜逆転生活が続いた。その後、引越しをして、週3日9時〜17時の一時保育に預けられるようになったが、時間が全然足りず、結局夜中や土日にやるしかなく、体力的に辛かった。

・時間が不規則な仕事だったため、8時~6時の保育園では対応できず、シッターさんにその日の仕事場まで一緒にきてもらって、いろいろなところで待ってもらう、という綱渡りでつないだ。

・仕事量を減らさねばならず、経済的に苦しかったです。妊娠・出産期間中から減らした仕事を取り戻すのは、なかなか大変でした。区の一時預かりサービスは0歳児の定員が少なく、朝9時からの電話予約は毎回「チケットぴあ」状態での争奪戦だった。

・フリーランスは在宅勤務=家で子どもの面倒を見ながら仕事する、と捉えられていることを痛感した。点数稼ぎには限界があるため、保育園を諦めた。以降、カンガルースタイルで仕事をしている。

・途中入園は一筋の望みもなく、自営業(会社役員)で育休もないためベビーシッターと一時保育、子連れ出社で半年間乗り切った。

■柔軟な働き方と保育のあり方で、「もっとこうだったら」「こういうサービスがあれば」という希望があれば具体的にお書きください。

・託児付きのコワーキングスペースの充実。

・打ち合わせ先のオフィス街での一時預かり。

・認可、認証、認可外と分けて保活しなくてもいい応募の一元化、また見学や問い合わせの労力を減らす親が知りたいことのデータベース化。

・複業でクライアントが多数いることでポイントがつくようにする。

・パートナーの長時間労働改善。

・クライアントに記入を依頼しやすい就業証明書の公式フォーマット。

【イベント「#フリーランスが保活に思うこと」開催レポート】
■開催:2017年3月1日(水)10:30-12:30 (10:00より開場)

■ゲスト:
菊地加奈子さん(社労士/保育園経営者)
新倉暁子さん(ライフオーガナイザー)
吉野ユリ子さん(ライフスタイル・ジャーナリスト)
竹下隆一郎さん(ハフィントンポスト日本版編集長)

■主催:プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会、ハフィントンポスト日本版

■協力: Sansan株式会社

【グループワークまとめ】 
グループごとに、フリーランスの保活の難しさ(課題)と、それを解決するためのアイデアを議論しました。
(全6グループ)

●グループ1:多様な働き方にあった仕組みへ

グループ1

●グループ2:認可以外の選択肢の金銭的なハードルを下げるため個人(保護者)へバウチャーを

グループ2-1

グループ2-2

●グループ3:働き方の有利不利が起こらないよう、クライアントも巻き込み就労を証明できる仕組みを

グループ3-1

グループ3-2

●グループ4:自分の変わりがいないフリーランス独特の「不安感」が保活保活と焦ってしまうので、フリーランス同士で預かりあうなどコミュニティで助けあえる仕組みを

グループ4

●グループ5:時間や曜日もフレキシブルなフリーランスの仕事に合わせて、保育を多様に組み合わせ、ばらつきがあっても集まることで安定的な保育ができるような仕組みを

グループ5-1

グループ5-2

●グループ6:働き方に問わず、必ずすべての子が保育園に入る前提で仕組みを根本的に変える

グループ6-1

グループ6-2

【イベント記事掲載】
●ハフィントンポスト日本版
「保育園落ちた」悲劇を繰り返さない保育の多様性、どう実現する? #フリーランスが保活に思うこと
http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/02/freelance-hokatsu-event-report_n_15103742.html

●ログミー イベント発言書き起こし
多様化する働き方と画一的なままの子育て–当事者らが語る「#フリーランスが保活に思うこと」
http://logmi.jp/194563

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