プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会

萩市でフリーランス合宿をしたら、地元の人に泣いて喜ばれた

フリーランス協会の地方創生プロジェクトで、やりたいやりたいと言ってきた念願のフリーランス合宿。遂に実現しました!

初めての試みで事務局も参加者もドキドキでしたが、結果は大成功!萩市のご担当者が、最後の懇親会で感極まって目から汗を流すという事態になり、全員で感動のフィナーレを迎えました。

かなり濃密なツアー(企画詳細はコチラ)だったので、すべてをお伝えするのは難しいのですが、そのエッセンスをレポートでご紹介させていただきます。

<<DAY1>>

萩セミナーハウスで集合し、まずは萩市役所の村田さんから歓迎のご挨拶と、フリーランス協会 代表理事の平田から合宿の趣旨説明。

萩セミナーハウスのオリエンテーションは、スタッフのお二人が温かく漫才のような面白さ。毛利家の別邸を譲り受けたという風格ある門構えですが、建物の中は修学旅行を思い出し、ワクワクする”THE合宿所”でした。二段ベッド懐かしい!

今回は、萩市で参加を呼び掛けてくださった3社の地元企業からお困りごとをブリーフィングして頂き、アイデアソンを行いました。

一社目はセンスの良い陶芸作品や器、アクセサリーを販売しているギャラリーJIBITAさん。
参加者の女性陣が小躍りするほど素敵なアイテムが揃っています。萩焼にこだわらず、美術商の家で育ったオーナー熊谷信力さんの目利きに適ったものを全国の作家、職人から買い付けているのだとか。
今後は地元の人々や観光客の交流の拠点となる場づくりをしていきたいというお言葉の端々から、萩焼の伝統文化を尊重しながらも新たな価値を再構築していく仲間が欲しいという想いが感じられました。
http://jibita.com/

二社目の訪問は、安政二年に創業し、現在は七代目社長の長谷紀子さんが八代目の息子さんたちと営む老舗かまぼこ店の忠小兵衛蒲鉾本店。

山口のかまぼこは、焼き抜きという製法で関東で主流の蒸し上げかまぼことは違うプリップリの食感が特徴。忠小兵衛はその元祖で、生の魚を仕入れ捌くところから始めています。人気商品のごぼう巻きは材料となる魚の皮が希少なため生産量に限りがあり、売り切れが頻繁に起こるそうです。
商品開発や販路拡大、後継者育成などの課題についてお伺いしました。
http://www.chukobee.com/

三社目は農業生産法人アグリードさん。広島で建設業を興して成功した竹重聡さんが、家業の農業を再興したいと新たに始めたアグリベンチャーです。主力製品は米、長ネギ、大豆、胡麻など。長ネギは一年中収穫があり安定収入になります。

不耕起栽培というオーガニックな栽培手法にこだわり高付加価値化に努めながら、六次産業化を目指して「米飴」(低糖質甘味料)の商品開発を行ったり、農業体験イベントで消費者交流を行うなど、様々な経営努力をしています。
人材不足の問題に加え、投資回収期間が長い農業ビジネスにおいて、どのように規模拡大、成長していくかが課題だとお話し頂きました。
https://www.facebook.com/mutsumi.muraichiba/

3社の訪問の合間には、一般社団法人萩市観光協会にもご挨拶。萩版DMOの責任者を務める河口健次郎さんに萩の魅力や観光客誘致の戦略などを伺いました。
萩は歴史、食、自然、陶芸など、魅力がいっぱい!!思索を深めたい一人旅にもピッタリなので、30~40代の単身観光客も多いそうです。

いろんなお話を伺って脳みそフル回転した後は、新鮮な海の幸が豊富に食べられる海鮮竜門で乾杯!海士(あま)さんが営むお店で、金・土・日しかお店を開けないのに大人気なので予約困難だとか。
色々なエリアから参加者が集まっていたため、初対面のメンバーも多かったのですが、美味しい料理に舌鼓を打ちながら、すっかり打ち解けました。

そして、料理を食べながらも、自然と議論がスタート。そのままセミナーハウスに戻り、12時近くまで全員で3社の課題の整理や、戦略の方向性について熱い議論が続きました。

<<DAY2>>

合宿2日目。全員で朝食を食べ、部屋の清掃をした後(合宿っぽいですよね笑)、松陰神社に移動。松下村塾を見たり、お参りしたり、観光客気分。


幕末の志士に思いを馳せて気合を入れたら、9〜13時まで松陰神社内の研修施設「立志殿」でグループワーク。前の晩にグループ分けしたチーム毎に分かれて、経営課題に対する具体的なアイディアをブレストし、パワーポイントの資料にまとめました。


情報が少ない中でもなんとかお役に立てる提案ができるようにと、昨年の視察時にもお世話になった萩ふるさと大使の田子みどりさん(株式会社コスモピア代表取締役)がアドバイザーについてくださって、各チームから背景情報や裏取りの質問攻めにあっていました(笑)

そのあと、プレゼン前に英気を養う小休止?!として、椿の原生林を見に行き、海辺を散策。真っ青で透き通った海が大変美しかったです。そりゃ、美味しい魚が獲れるわけですね。

15時からは立志殿に戻って、地元企業の皆様にプレゼンテーション。前日に伺ったお話を基に、課題の整理を行い、解決の方向性と具体的施策の提案をさせていただきました。
プレゼンテーションをさせていただいた相手は、Gallery JIBITA代表の熊谷信力さん、忠小兵衛蒲鉾本店 8代目社長候補の長谷忠さん、農業生産法人アグリード代表の竹重聡さん。山口県庁、萩市役所からも複数のオブザーバーに見守っていただきました。

当初は企業の皆様もたかだか小一時間のブリーフィングでどこまでの提案ができるだろうかと半信半疑で参加してくださったのではないかと思いますが、参加者一人一人の持つ専門性がチーム内で掛け合わさって、どのチームも興味深い提案になりました。
そうした専門性に加え、経営者目線で日々意思決定を行っているフリーランス、かつアウトサイダーならではの視点が新鮮に感じて頂けたようで、地元企業の皆様からも萩市のご担当者様からも大変喜んでもらえました。

懇親会も大いに盛り上がり、最後のスピーチで萩市のご担当者は感涙され、一同思い出深い体験になりました。

<<合宿を終えて>>

今回の企画は、昨年秋に代表 平田と地方創生プロジェクト担当の齋藤が萩市を訪れた際にお話しした妄想から生まれたものですが、海の物とも山の物とも分からない前例のない企画を、リスクを取って各方面に調整して実現してくださった萩市役所の村田さんには、本当に感謝しています。

合宿を終えた村田さんのFacebook投稿が激アツだったので、許可を頂いてまるっと引用させて頂きます。

「会話」と「議論」
「会話」と「発言」に
全く隔りがなく
まるで雑談でもするかのように
スルスルとプレゼンまでの
方程式が積み上がっていく

組織人の中で生きてきた自分には
眩しい光景でした

メンバーの「強み」を捉える速さ…
其々が執行権を持つことからくる言葉の重さ…
圧倒的なバランス感覚…
「時間」管理能力の高さ…

わずか一時間弱のヒアリングから
引き出した企業様の課題を
一晩で分析

最終プレゼンにおける成果品も
企業様にグサリと突き刺ささる内容

今、最前線の「しごと」を
肌で感じました。

萩は
「三人集まればそこが松下村塾」
と喩えられるほど
議論好きが多く
皆が心に熱いものを秘める町

ゆえに
内々で知見を流動していくことには長けるものの
外界のものを受け入れることが苦手で
外界への発信も苦手

ある意味行き詰まりも感じていたところに

フリーランス協会様のエッセンスを
ポタリと垂らしただけで
企業様
関係者様
事務局
それぞれの
距離感が近づいていき
お互いの立場や
思惑が吹き飛んでいく感覚がありました
(色即是空空即是色 的な…)

何という相性!!!

地方目線では
移住定住や
関係人口の増加等
目の前の現象にとらわれがちですが
答えはこの度の化学変化に垣間見た気がします

協会様曰くの
「知見の流動化」
に大きすぎるポテンシャルを感じつつ

この御縁を次へ次へ!
皆様本当にありがとうございました!

それから、企画や準備をサポートしてくださった株式会社ダンクソフトの板林さん、萩観光大使の田子さん、山口県庁の深見さん、萩市地域おこし協力隊の高汐さんにも、心から御礼申し上げます。

合宿に参加してくださったメンバーも、初対面とは思えないスムーズな議論と共同生活を遂行していただき、素晴らしいチームワークだったと思います。

これを機に、フリーランス協会では、場所にとらわれない、プロフェッショナルのフリーランスならではの「知見の流動化」をますます推進し、地方都市の関係人口増加と、地場企業の経営革新に寄与していけたらと思います!!

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