プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会

【イベントレポート】地方フリーランスの可能性が広がる!?〜 企業と組む個人の時代の生き方〜

はじめまして。
福岡でフリーライターをやっているこーいちです。
地方でフリーランスとして働くのって、結構勇気いりません?
東京(首都圏)と比べるとクライアントの数が少なく、報酬単価も安いし、果たして専業で生活が成り立つんだろかと不安を抱えながらの仕事になってしまいがちですよね。
とはいえ、地方でもしっかりと「食っていけている」フリーランスがいるのも事実。そんな先輩フリーランスの仕事ぶりや案件獲得方法などを知りたい! ということで、今回は9/11に福岡市天神のfabbit Global Gateway “ACROS Fukuoka”にて行われたイベント「地方フリーランスの可能性が広がる!?〜 企業と組む個人の時代の生き方〜」に参加してきました。写真とともにこの熱気あふれる模様をお届けしたいと思います。

イベントの概要

今回のイベントは、専業副業(複業)問わずフリーランスとして活躍している人、及び
フリーランスとしての働き方に興味がある人を対象として開催されました。

「いきなりフリーランスはハードルが高いけど、サラリーマンをしながらちょっとした副業的なチャレンジをしたい」「夜とか週1とかの空いている時間を使って次のキャリア形成につながるような何かを見つけたい」と考えている方はぜひ聞いてほしい内容です。
また福岡ではその実態があまり知られていないビジネス系フリーランス(新規事業・広報・営業・HR等)。
地方に住みながら全国の企業と組むフリーランスの仕事術を実践者本人から直接聞ける貴重なイベントです。
イベントの後は交流会も予定しています。複業・副業を考える会社員や現役フリーランスが繋がり、福岡での質の高いコミュニティー作りや一般企業とのビジネスマッチングの場のキッカケとなればと思っています。
(イベント告知文より引用)

ということで、イベントの趣旨に興味を持っていただいた方多数。
事前申し込みが100名を超え、当日会場に足を運んでいただいた方も総勢88名と、まれにみる大盛況のイベントとなりました。

フリーランスやパラレルキャリアの現状は?

冒頭、福岡テンジン大学の学長で、フリーランス協会福岡HUBのリーダーでもある岩永 真一さんからフリーランスやパラレルキャリアの現状について説明がありました。
急速に進展する少子高齢化や働き方に対する意識の変化などが主要因となり、専業副業含めた広義のフリーランス人口は年々増加しています。
ライターやデザイナーなどクリエイティブ系が中心だった職種も多様化し、コンサルタントやカウンセラーなどのビジネス系フリーランスで活躍する方も増えつつあります。

ただ、こういった動きは首都圏が先行しており、地方においては相変わらず優秀な人材が枯渇し、クライアントも保守的な傾向が強いそう。
社会制度が追い付いていないこともあり、制度改革やフリーランス協会の各種支援プログラムなどで地道に対応していく他ないということでした。

その他、フリーランス協会では報酬トラブル弁護士費用保険「フリーガル」フリーランス向け所得補償制度などさまざまなフリーランス支援制度をリリースしているので、専業副業問わず利用する価値はあるかと思います。

パネルディスカッション

ファシリテーターを努めていただいた河京子さん

続いて行われたパネルディスカッション。ファシリテーターとして株式会社Waris共同代表である河京子さん、パネラーとして江藤彰洋さん、佐藤智美さん、富田安則さん(略歴は下記)の3名に登場していただき、現在の仕事内容やフリーランスとしての心構えなどについてお話いただきました。
ためになる話ばかりだったのですが、中でも印象に残ったお話しの内容をいくつかご紹介したいと思います。

みなさん真剣にパネリストのみなさんの話に聞き入っていました

◇この人と組みたいなと思わせるコツ
フリーランスであれば、チームで一つの案件を担当する場面もあるでしょう。自分の周囲の人がどのようなスキルを持っていて、自分の持つスキルと組み合わせればパワーアップするような、言うなれば「この人と組みたいな」と思わせるようなスキルの磨き方をしていれば紹介などで案件が舞い込んでくるそうです。

◇何をどこでどんな形で学ぶのかは自分で決めなければならない
会社員とフリーランスとの大きな違いはスキルアップに関すること。会社員の場合は会社がある程度研修プログラムを組み、スキルアップの方向性を示してくれるけれど、フリーランスは自分でスキルアップの方向性や手法を決めなければなりません。
フリーランス自身で決めてスキルアップしなければ継続して仕事を獲得していくことが難しくなってくるのです。

◇クライアントは上司じゃない
会社員の場合は自分の仕事内容に対してダメ出ししてくれたりフィードバックをくれたりします。社員として成長してほしいという気持ちがその根源にあるのですが、フリーランスの場合はそんな優しいフィードバックはありません。クライアントがだめだと思ったらバッサリと切られて終わりです。
シビアな世界ですが、高い付加価値を生み出すフリーランスであればその分報酬も高くなる傾向にあります。

◇明日のごはんが食べられなくなる不安と戦い続ける
フリーランスは仕事が無くなればただの無職です。明日のごはんが食べられなくなるかもという不安に常にさらされています。一方の会社員は常に理不尽さやしがらみと戦っています。どちらの働き方が自分に向いているのか、副業的な働き方で試してみてから専業になるというのは有効な手段ではないでしょうか。

熱気に包まれた会場

東京や大阪ならまだしも、福岡でこれだけの人数が集まるイベントなんて過去に例がないんじゃないかと思うほど。会場となったfabbit Global Gateway “ACROS Fukuoka”は、福岡にあるイベントスペースの中では比較的広い会場になるのですが、用意した椅子が足りなくなり、立見の方も出るほどの熱気でした。

乾杯の音頭で交流会スタート!

一通りプログラムを消化し、乾杯から交流会へという流れでボルテージは最高潮! 「やっぱり交流会があるからイベントは楽しいんだよね」とばかりに会場のあちこちで名刺交換が繰り広げられていました。

今回の参加者は、フリーランスだけではなく会社員の方も半分近くを占めていました。話を聞くと、会社(あるいは自分のキャリアプラン)の方向性に不安を感じ、副業的な働き方を始めてみようかと考えている方が多く、副業機運の高まりを肌で感じることとなりました。
個人的にも、副業から始めてみるのは大賛成です。いきなり専業として独立しても、気持ちばかり焦っていい結果を生まないことが多いですしね。

最後に

大盛況のうちに終わった今回のイベントですが、早くも次回を期待する声が多く集まっています。

総勢100名近くの”乾杯”は圧巻でした

内容や進行についてはいくつか見直す点がありますが、福岡のフリーランス業界をけん引する役目を担う立場として、次なる仕掛けを考えなければなあと思う日々です。
また近いうちにこのような熱気あふれるイベントを企画したいと思います。乞うご期待!

登壇者

江藤 彰洋
北九州市出身、東京でのサラリーマン生活を経て福岡県福津市へ。1児の父親。
事業開発における実務サポート、及び、ディスカッションパートナーとして活動中。
最初の独立で失敗し借金を抱える。その後さまざまなベンチャー企業の立ち上げや事業開発フェーズに携わり、二度目の独立を果たす。好物はビール。趣味はブルワリー巡り。

富田 安則
熊本出身。早稲田大学卒業後、2002年熊本日日新聞社入社。
2004年リクルートコミュニケーションズへ入社後、局次長・エグゼクティブクリエティブディレクター、執行役員・局長を歴任。
現在は地元熊本に近い福岡へ移住し、「『起業・企業』を支援することで、地域経済の向上に寄与する」という思いを元に、株式会社ローカルベンチャールームを創業。地域企業のブランディング・事業推進などを支援している。
九州大学大学院 経済学府 産業マネジメント専攻(MBA)在籍。

佐藤 智美
太宰府市出身。
関西の大学に進学し、就職で東京へ。
転職エージェントを経て、2011年より週の半分は契約社員としてエンターテイメント企業の人事を、残りは個人事業主として活動するパラレルワークを実践。
2014年からは100%個人事業に移行。
現在は東京・福岡の2拠点生活を行いながら法人向けの人事コンサルティングやアウトソーシングを中心に、人事関係以外のリサーチ、データ分析、資料作成等の後方支援業務を行うフリーランス。他にも作家としての創作活動・個展開催や、知人作家の海外進出に於ける通訳・翻訳業務など、面白いと思ったことを色々やってみる雑食系。

河 京子(モデレーター)
株式会社Waris共同代表
フリーランス協会福岡HUBサブリーダー
1984年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部総合政策学科卒業後、2007年に株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。法人営業担当として、外資系医療機器メーカーを始めとした医療業界の顧客企業と、個人のマッチングに従事。その後、営業企画部門へ異動。新規事業コンサルタントとして、大型採用を行う法人企業に対し、全体工程設計・運用、人材要件定義、採用コミュニケーションプランの立案などを実施し、事業拡大を人材の観点から支援。リクルートキャリア在籍中の2013年4月、株式会社Warisを設立しボランタリーベースで経営に関わった後、2014年6月にリクルートキャリアを退職し現職。2016年4月より福岡在住。

執筆者 プロフィール
桂 浩一 さん
福岡出身福岡在住。東京で20年近くサラリーマンとして働き、2015年にUターンし独立、4年目を迎えたフリーランス。独立後はライター・カメラマン・講師などの実績を持つ。
新しい働き方LAB福岡キャンパスコミュニティマネージャーとして福岡のフリーランス市場を盛り上げていく使命を背負っている。

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