プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会

フリーランスの契約トラブル撲滅に政府が本気な件

去年の振り返りと今年の抱負をブログに”書く書く詐欺”でバタバタしていたら、もう2月も半ばになってしまいました。ヒラマリです。

そういえば、1月26日はフリーランス協会の設立日でした!
一般的に3年間生存できる法人は全体の3割といわれるので、まずは”フリーランスのインフラ“の名に恥じないよう、ベネフィットプランを3年間安定して存続・拡充させることを目標に、緩い事業計画を立てていました。とりあえず第一ステップはクリアかな、と胸を撫で下ろしております。

そんな3年間の間に、世の中の風向きも大きく変わって参りました。どこでどうフリーランス協会のことを知ってくださるのか、フリーランスの方はもちろん、企業や自治体などからも、連日のようにお問合せが入るようになりました。

それから、なかなか発信できていないのですが、政府もフリーランスの保護や活用推進を熱心に進めてくださっていて、公式な検討会からご担当者レベルのものまで、月に2〜3件以上は関係省庁からの相談やヒアリングのご依頼を頂き、地道に対応しています。経済産業省、中小企業庁、厚生労働省、公正取引委員会、内閣官房、内閣府など、実に様々な角度から本当に沢山の方が、フリーランスの環境整備に邁進してくださっているのだなと驚くばかりです。フリーランス協会を設立した当初は、霞が関の殆どの人にとってフリーランスは未確認生物でしたし、フリーランスとフリーターの違いもよく分かっていない企業経営者やメディアも多かったように思いますが、時代は変わりましたね…

今日は、厚生労働省の第19回「雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会」でプレゼンでした。第17回第18回の検討会で整理された論点に対し、関係団体が意見を述べるというのが今日の趣旨でした。



この発表資料は、厚労省のホームページでもPDFでご覧頂けます。

雇用類似検討会(名称が長すぎるので省略)の主な論点は、下記のとおりです。

・「雇用類似の働き方」として保護すべき対象者は誰なのか
・契約条件の明示、契約の締結・変更・終了に関するルールの明確化をどうすべきか
・報酬の支払い確保、報酬額の適正化をどうすべきか
・就業条件(安全衛生関係、就業時間、損害賠償額の予定等、損害賠償額の予定等)をどうすべきか
・紛争が生じた際の相談窓口をどうすべきか

詳しくはプレゼン資料をご覧いただきたいですが、私からは下記のような話をさせていただきました。

・個人がフリーランス(雇用類似の働き方)を選択する主な理由は、裁量、時間/場所の自由、能力発揮、挑戦、ワークライフバランスなど(「フリーランス白書2019」より)
・企業がフリーランス(雇用類似の働き方)を活用する主な理由は、専門知見・スキルの調達や、人材リソースの調整弁としてだが、同一労働同一賃金が始まると、偽装フリーランスが増えるリスクがある
・フリーランス白書の調査結果によれば、当事者たちは「生活健康のリスク対策」と「仕事上のトラブル対策」は求めているが、「仕事上のリスク対策」(最低報酬、労働時間規制、失業保険など)はあまり求めていない
・フリーランスは事業者(自営業者)であり、基本的には労働法ではなく、競争法の世界で働いている(取引の公正さと透明性が前提)。しかし、場所・時間・業務量の制約があり、特定取引先やプラットフォームへの経済的依存性が高く、一方的に値決めされているような労働者に近いワーカー(準従属労働者)については、労働者に準じた「仕事上のリスク対策」も検討が必要ではないか
・現在とりまとめ中のフリーランス白書2020の分析を見ても、非自発的に事業者になった人たちは、満足度も年収も低い傾向。企業の働き方改革を進め、雇用システムに戻れるように促していくのも一手。
・フリーランス白書2020の結果を見ると、契約トラブルになっている契約の半数が口約束であり、フリーランスも下請法の対象になると知らない人が57.8%。下請法の適用対象外となる資本金1000万円以下の企業と契約締結をしたことがある人が57.6%(分からない人が14.1%)

その他、各論に対する見解は下記のとおりお話申し上げました。

フリーランスと一口に言っても対象が多岐にわたるし、「保護」にしても論点が沢山あるので、拙速に結論付けるわけにはいきません。時間はかかりましたが、ようやく方向性がまとまって、道が見えてきたことをとても嬉しく思います。

ここまで一歩ずつ、丁寧に整理をしながら議論を進めてくださった在宅労働課と検討委員の皆様に、心から感謝申し上げます。引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます!

 

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