プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会

【インタビュー】 全てはプロモーションであり、マッチング。企業やフリーランスの課題に寄り添いながらサポートするWebプロモーター 高西 愛美さん

こんにちは。フリパラ編集部のライター、佐藤です。フリーランス・パラレルキャリアの多様な暮らし・働き方を取材を通してご紹介する「隣のフリーランス」企画。

今回ご登場いただくのは、東京、福岡、大阪、名古屋を移動しながら企業やフリーランスのサポートを請け負う高西愛美さんのご紹介です。

高西さんは、イベントの企画から集客まで一貫して行うWebプロモーターであり、SNSを活用したセルフブランディングのコンサルタント、フリーランス秘書の仕事をしながらドイツ移住を果たし、現在は福岡を拠点に活動しています。

多様な仕事を軽やかに表現し続けていく高西さんに、現在に至るまでの経緯を伺いました。

プロフィール
高西愛美(たかにし まなみ) 33歳
Webプロモーター/フリーランス秘書

1986年 愛知県生まれ。高校卒業後、19歳で結婚。パート勤務の後に正社員雇用を希望するも、子ども2人を抱えての採用が叶わず、自分の力で収入を増やそうと決意し、26歳で独立。その後、離婚。イベントの企画から運営まで一貫して行うWebプロモーター、セルフブランディングのコンサルティング、フリーランス秘書を経て、現在は企業のサポートを中心に幅広い業務を兼任。2020年1月に友人らと立上げたコミュニティ「ディレクターズギルド」のメンバーは380人を超え、ディレクターの市場価値の向上と育成に注力している。

Facebook https://facebook.com/manyabbit
ツイッター https://twitter.com/manalog29
ディレクターズギルド https://facebook.com/groups/522602208614003/

SNSとリアルの充実が、濃い繋がりを生みだしていく

現在のお仕事を教えてください。

現在は、東京、大阪、福岡を拠点に、複数企業のライティングの請負や、新規プロジェクトの運営マニュアル作成、バックオフィスマネジメント、コミュニティ運営フォロー、SNSプロモーション構築など、さまざまなご要望に応える形で業務を請け負っています。

 ー  そういったお仕事は、どのような形で依頼があるのですか?何か、営業をされているとか?

直接的な営業というよりも、親しくなった方と話をしているうちに「じゃあ、こんな事もできる?」と聞かれて、仕事に繋がることが多いです。

先日も、Webデザイナーとカメラマンの友人から、HPのライティング案件のオファーを受けたんです。前々から「何か一緒に仕事できたらいいね」と話していたことがあり、声をかけてもらった形です。

そしてそのHPが公開されたあとに、私がライティングを担当したことをSNSで発信すると、それを見てくれた方からリニューアルするHPのライティング案件をご依頼いただきました。

仕事をしたら、必ずSNSで発信するように心がけています。そうすることで、ひとつの仕事が次の仕事へ繋がっていくんです。

ー  SNSの活用が上手いですね。羨ましい!

よく、プロモーションが上手いねって褒められます(笑)

ー  Facebookを拝見してビックリしたんですが、フォロワーが5000人以上いらっしゃるんですね!

独立するときに、自分のことを知ってもらうためにはSNSで発信するといいとアドバイスを受けたので、当時はFacebookとブログを毎日更新していました。
そしてSNSの活用と同時に、交流会や勉強会にも積極的に参加して、リアルな繋がりも増やしていました。

ー  SNSの活用とリアルな繋がりを同時につくるのって、大変そうですね。やはり、両方あったほうがいいんでしょうか。

そうですね。SNSは、リアルで出会った人との関係性を深めることに適していると思うんです。それだけでなく、SNS経由で自分に興味をもってもらうと、実際に会う機会が生まれることもあります。事前に人となりを知ってもらっていることで、お会いした時にスムーズに話が進むんですよね。

そして、リアルな繋がりができたことで、その後も継続してSNSを見てもらえる。SNSとリアルの両方が充実することで、濃い繋がりの循環が生まれていくと思います。

ー  その循環を続けたからこそ、今の仕事に繋がりやすい流れが生まれたんですね。

雇ってもらえないなら、自分で仕事をするしかないと思った


ー フリーランスになった経緯をうかがえますか。

もともと、フリーランスより正社員で働きたかったんです。ただ、19歳で結婚して子どもも2人いたので、正社員として働くのは現実的に難しくて、パートとして働いていました。収入を増やしたいと思いましたが、パートの収入だけでは稼げません。そこで「社員として雇ってもらえないなら、自分で何か仕事をしよう」と思いました。

ー  雇用される側から、仕事を生み出す側になろうと?

はい。正社員として雇用されるのが難しいなら、自分で売上をつくろうと思ったんです。そのためには「何が必要だろう?」と考えて、とあるビジネスセミナーに参加しました。

そのセミナーは、女性向けのセルフブランディングやライフスタイルを提案しているものだったのですが、講師の方に意欲を見込まれて専属のアシスタントに採用していただけたんです。そこでイベント企画やSNSを使ったプロモーションを学びました。

当時、少人数製の講座を定期的に開催し、月に30〜40人ほどの集客を行っていたのですが、最終的には企画からプロモーション、運営まで全て任されるようになっていき、単なるイベントの開催だけでなくセミナー業界の経営やビジネスモデルにまで携わるようになりました。

ー  そこまで行動できた理由は何でしょうか?

私は3姉妹の中間子なんですが、子どもの頃から自分の意見をはっきり主張していたようです。そのせいか、小中学生時代はグループ意識の強い女子の世界に馴染めずに苦労して。

それが、高校に入って一変しました。

生徒の主体性と個性を認める自由な校風だったので、それまで窮屈な学校生活の中で自分を抑えていた自我を、やっと開放することができたんです。

卒業後は、高校が進学校だったこともあって同級生は公務員や大学の教授など手堅い仕事についていました。女の子たちも総合職になっていたり。

華やかなキャリアの同級生と、結婚して家庭に入りパート仕事をしている自分を比較しては、コンプレックスを感じて。そういった思いが、原動力になったのかもしれません。

ー  わかります…。自分の中にコンプレックスがあると、周りがよりよく見えるときもありますよね。その後は、どんなことを?

イベントアシスタントで学んだことをベースに、フリーランスの人たちに向けてのセルフブランディングや、事業コンサルティングをしたこともあります。そのうちに実際に手を動かしてサポートすることも多くなり、「秘書っぽいね」と友人に言われたことから「フリーランス秘書」という肩書きを使用するようになりました。

今の仕事のスタイルができてからドイツに移住することになったときも、それまでと変わらず、ドイツからリモートで日本企業のサポートをしていました。

ー  ドイツに移住!すごい行動力ですね。前からドイツに興味があったんですか?

ドイツに移住したきっかけは、当時つき合いはじめたパートナーがドイツに住むことになって、流れで一緒に行くことに
ただ、サポートだけだと関われる範囲も限られてくるので、これからはもっと自分を全面に出して発信していきたいという思いが強くなり、ドイツで1年2ヶ月ほど生活した後、日本に帰国しました。

「ディレクターズギルド」を発足したのは、もっとディレクターの市場価値を高めたいと思ったから

ー  今後やっていきたいことは何ですか?

現在、元マクドナルド社員で、店舗運営について店長として世界基準で表彰をされた事のある宮城さんと、現場叩き上げでディレクション経験の豊富な山本さんと、私の3人で「ディレクターズギルド」というコミュニティをつくっています。

左から山本さん、宮城さん、高西さん


「ディレクターズギルド」を作った理由は、世の中にディレクターの重要性を認識してもらい、
ディレクター人材の市場価値を高めたいと思ったからです。

私が今までしてきたサポートの仕事は、ときには売上に関わる提案をしたり、経営者の意図を汲み取って現場のスタッフに伝えるなど、ディレクション的な要素も多くありました。

プロジェクトを円滑に進めるためには、さまざまな立場の人達の間で器用にやりとりや調整業務ができるディレクターが必要です。ですが、その価値や重要性に気づいている組織はまだ少ないように感じています。特に、小規模組織で。

ー  スムーズに仕事が進行するには、それぞれが担当している仕事の間を繋ぐポジションが不可欠なんですね。ディレクターと言うとクリエイターを想像しますが、高西さんの考えるディレクターとは、どういったものでしょう?

私が考えるディレクターとは、クリエイティブに限らず、プロジェクトを成立させるための重要なポジションを担う人材を指します。もちろん、クリエイティブなことも含まれますが、そのクリエイターが気持ちよく仕事に集中できる環境を作るのも、ディレクターの役割です。

質のいいディレクターがプロジェクトに参加することによって、経営者の意図がきちんと現場に伝わり、これまで発生していた行き違いによって生まれる無駄な工数や、現場メンバーのストレスが削減されます。円滑にプロジェクトを進めるには、ディレクターは欠かせない人材です。

ときどき、ディレクション費が発生することを快く思わない企業やフリーランスもいますが、ディレクターの市場価値が上がれば、そういったことも無くなるのではと思っています。

ー  そのための「ディレクターズギルド」なんですね。今後、どのような活動をしていきたいですか?

まだ立ち上げたばかりなので、定期勉強会の他は具体的な活動内容を検討中ですが、将来的には「ディレクターズギルド」で仕事を受けられるようにしたいと考えています。

たとえば、Web製作やバックオフィス業務、イベント運営のプロセスを効率化することで、プロジェクトの進行スピードや成果の達成率を高める依頼を受けたり、個人事業主が法人化するタイミングでの業務改善や、マネジメント業務をサポートするなど、クリエティブ要素の高い依頼から、事業運営全般に関わるディレクションまで、幅広い活動をしたいと考えています。

ディレクターの市場価値を高め、質のいいディレクターが活躍できる環境を作ることができれば、プロジェクトに関わる全ての人が気持ちよく働けるようになっていきます。それによって「仕事が楽しい」と思う人が増えていく。

ディレクターズギルド」の存在が、世の中の人が幸せに働けるように貢献できたら嬉しいですね。

(インタビューここまで)

今回お会いして、最初の柔らかくて女性らしい雰囲気の印象は、インタビューを続けるうちに自分の中に芯をしっかりもった女性へと変わっていきました。高西さんの言葉の隅々から伝わってくる想いや意思は、きっと実際の言葉でもSNSを通しても変わらずに、届くべき相手に届くのだろうなと体感しました。

インタビュー後に、フリーランスとしてはまだまだ後輩の私に「何かお仕事があったら、声かけてくださいね」と笑顔で語る柔らかなセンスは、今日から私も取り入れたいと思います。

高西さん、ありがとうございました!

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