フリーランス新法に関するパブリックコメントを出しました

2022年9月13日付け「フリーランスに係る取引適正化のための法制度の方向性」に対する意見公募手続に対し、フリーランス協会は下記のパブリックコメントを提出いたしました。

このたび公開された法制度の方向性は、公正取引委員会、厚生労働省、中小企業庁、そして内閣官房が、過去5年間にわたって段階的に、フリーランスの多様性を考慮しながら、実態把握(フリーランス・トラブル110番の運用を含む)を積み重ねてきたことが感じられるものでした。

当協会は、発注者に対して相対的に立場が弱くなりがちなフリーランスが、安心して適正に取引できるよう、本法制度が早期に実現することを願っております。

フリーランスに係る取引適正化のための法制度の方向性に対するパブリックコメント

私たちフリーランス協会は、個人事業主や一人社長、副業ワーカーを含むすべてのフリーランスが、安心して適正に取引できる環境整備を目指し、5年半にわたり活動して参りました。労働者の権利ではなく、事業者としての「キャリア自律」を旗印に掲げてきた当協会の会員総数は、2022年8月末時点で約7万2千人に上ります。

フリーランスの取引においては、独禁法や下請法といった現行の競争法が十分なトラブル抑止力・解決力を持たない中で、契約トラブルや口約束が横行していることが、過去の度重なる調査から明らかになっています。

特に、資本金1000万円以下の事業者や個人の事業者が発注者である場合をはじめとする下請法の対象外となる取引は、トラブルや口約束の温床となっています。2018年2月には独占禁止法においてフリーランスを保護の対象とすることが整理されましたが、個別事案の取引当事者にとって法令違反かどうか判断し難いという課題があります。依って立つ法律や契約書面がないため、トラブルが生じたとしても泣き寝入りするしかないのが実情です。

一方で、法整備を行う際には、過剰規制にならないよう細心の注意が求められます。発注者に過度な負担を強いて発注控えが起こったり、フリーランスの手続きが無暗に煩雑化して本来の業務に支障が出たりすると、本末転倒です。

このたび公開された法制度の方向性は、一口にフリーランスと言えど業界や職種によってさまざまに異なる現場の多様性が考慮された現実的な方向性であると感じられます。この方向性に基づき着実に法制化できれば、フリーランスの契約トラブルや泣き寝入りが激減することが期待できます。

また、フリーランスだけでなく、発注者や仲介事業者等の立場も考慮し、フリーランスとの取引が敬遠されないよう配慮されている点も評価に値します。

当協会は、新しい働き方として拡大しながらも発注者に対して相対的に立場が弱くなりがちなフリーランスが、安心して適正に取引できるよう、本法制度が早期に実現することを願っております。

なお、法制度の方向性については、大いに賛同するものではありますが、具体的な法案作成に際して、いくつか検討をお願い申し上げます。

(1)(ア)① 業務委託の際の書面の交付等について

本法制度の方向性が公開されてから、すべての取引で契約書を用意して押印するのはフリーランスにとっても過剰な負担となることを不安視する声がSNS等で散見されます。実際には「書面の交付又は電磁的記録の提供(メール等)」との記載のとおり、必ずしも契約書を介しての契約締結を求めるものではないと理解していますが、法案作成においてはそうした誤解が生じないよう法案文面の表現をご配慮ください。当協会では、下請法の三条書面交付義務とは異なり、メールやチャットのテキストでも、契約内容の証左が互いに参照できる形であれば十分だと考えます。

(1)(ウ)報酬の支払に関する義務について

役務等の提供を受けた日から 60 日以内の支払い義務は、遵守が難しい場合もあると考えられます。例えば、公共事業の受託をしている事業者が孫請けとしてフリーランスに発注する場合、入金される年度末を待って孫請け先に支払うことなどが想定されます。原則的には60日以内の支払いを義務としつつ、双方の事前合意が明示的になされている場合に限り、例外的に60日を超えた支払い期日も認められるようにご配慮ください。

(1)(エ)フリーランスと取引を行う事業者の禁止行為について

本項の禁止行為の対象となるのは「フリーランスとの一定期間以上の間の継続的な業務委託」に限定されていますが、「一定期間」の定義がなければ混乱を来すことが懸念されます。また、フリーランスの責めに帰すべき理由のない受領拒否や報酬減額等のトラブルは、フリーランスとの単発の業務委託においても散見されます。むしろ過去に取引実績のない相手だからこそ、そうした不当行為を行う事業者であることの見極めが難しく、トラブルが生じがちな実態を踏まえ、禁止行為の対象となる取引について再考をお願いいたします。

 

▼代表理事 平田によるフリーランス新法解説はこちら

 

検索

新着記事

人気記事