プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会

【調査集計速報】インボイス制度によるフリーランスへの影響

自分の名前で仕事をしたい人のための非営利支援団体 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(東京都中央区、代表理事:平田麻莉、以下「フリーランス協会」)は、「フリーランス白書2024」の調査集計速報として、「インボイス制度によるフリーランスへの影響に関する実態調査」を公開いたします。

当協会では、フリーランスの報酬適正化を推進する啓発キャンぺーン「インボイス2%~アクション」を今年2~3月に展開して参りました。主にフリーランスの仲介事業者を中心に賛同が広がり、多くの仲介事業者でインボイス制度導入によるフリーランスへの一方的な負担のしわ寄せを避けるための対策が取られました。また、政府与党に対しても、価格転嫁の重要性を訴えて参りました(参考記事)。

しかし、今回の調査から、立場の弱いフリーランスが個々の取引において価格転嫁交渉を行い、適正報酬を得ていくためには、政府によるより力強い支援(発注者向けの啓発とメッセージング)が不可欠であると感じました。加えて、免税事業者への一方的な契約解除や報酬値下げは独禁法・下請法違反の可能性があると公正取引委員会を始めとする関係省庁は注意喚起をしていますが、まだまだ認知不十分であり、更なる周知徹底が求められます。

本調査結果が、インボイス制度によるフリーランスへの影響と、価格転嫁の重要性について、メディア関係者の皆さまに広く報じていただく一助となり、政府から価格転嫁に向けた力強いメッセージと後押しを得られることを願っております。

また、フリーランスと発注者双方の事務負担を減らすためにも、インボイス登録後の請求書発行の留意点や、簡易課税制度について、周知啓発のご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

調査報告書
https://blog.freelance-jp.org/wp-content/uploads/2023/12/report_invoice.pdf
自由回答一覧(全件)
https://blog.freelance-jp.org/wp-content/uploads/2023/12/freeanswer_invoice.pdf

※お一人様1回答とさせて頂いておりますため、重複アドレスからの回答は厳正に削除済みです。
 大変恐れ入りますが、ご了承ください。

調査結果の総括

・インボイス制度の認知は9割超だが、理解度には未だバラつきあり。
・インボイス登録申請をした/する人が48.4%で、免税事業者を継続する人が34.9%。
・新たに課税事業者転換したインボイス登録者及び登録予定者のうち、既に価格転嫁できた人は僅か17.2%。インボイス登録で課税転換した事業者の価格転嫁を促進するためには、政府による支援(発注者向け啓発とメッセージング)が必要。
・免税事業者のままでいることを選択した人のうち17.3%が一方的な契約解除や値下げを迫られた。免税事業者への一方的な契約解除や報酬値下げは、独禁法・下請法違反の可能性があるが、認知不十分であり、周知徹底が求められる。
・他方で、5割強の免税事業者が報酬値下げをされた場合、取引の継続を見直すと回答。フリーランスに負担を被せる企業は「選ばれない企業」になり、人材不足の中で必要な人材を確保できなくなる可能性も。
・実際にトラブルに遭っていなくても、制度の複雑さや発注者の理解不足により、得も言われぬ不安に苛まれている人が多数。
・課税事業者の経理事務を大幅削減する「簡易課税制度」の申請は2割に留まり、更なる理解促進が必要。(インボイス登録とセットでの申請可能性についての広報周知も効果的では)
・発注者のインボイス対応に伴う経理書類の差し戻しや修正の負担が増加しており、経理実務の方法論に関する情報発信、広報周知が急務。

調査結果ハイライト

  

 

 

 

 

 

 

自由回答分析

 

 

集計速報公開の背景

フリーランス協会は、職種も、働き方も、年収も異なるさまざまなフリーランスの多様性を可視化し、私たちフリーランス当事者が自らのキャリアを切り拓いていく上での参考となるように。
そして、フリーランスの課題やニーズについて広く社会に問題提起できるように。
そんな想いで、2018年から毎年実態調査を行い、フリーランス白書を公開しています。

このたび、2023年10月20日から11月20日の1か月間で、「フリーランス白書2024」に向けた実態調査を実施しましたが、今年10月に施行されたインボイス制度が、フリーランスにどのような影響を及ぼしているのかを知るための貴重なデータが集まりました。

そこで、インボイス制度に関するパートについては、フリーランス白書2024の公開に先駆けて速報として公開することに致しました。(「フリーランス白書2024」の全編は、2024年2月頃の公開を予定しております)

引用・転載にあたってのお願い

本調査結果は、下記条件に基づき、ご自由に引用・転載いただくことができます。

1)必ず下記のクレジット表記をお願いします。
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
「インボイス制度によるフリーランスへの影響に関する実態調査」

2)お手数ですが当協会事務局へ掲載報告をお願いします。
・ウェブサイトの場合:メールにて掲載URLをお知らせください
・印刷物の場合:掲載された書籍や記事を郵送でお送りください
・テレビ放映の場合: 予め放映日をお知らせください

取材申込み、ご質問等のお問合せ

こちらのフォームよりお問合せください。広報担当より、順次お返事させていただきます。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会について

「誰もが自律的なキャリアを築ける世の中へ」というビジョンを掲げ、自分の名前で仕事をしたい人のためのインフラ&コミュニティ。年会費1万円で賠償責任補償や所得補償制度、各種優待が使えるベネフィットプラン(福利厚生制度)の提供のほか、政策提言、キャリア支援、ジョブ創出、地方創生など、様々なプロジェクトが進行し、多彩なイベント運営等を行う。また、副業・兼業人材の仲介事業者22社・28サービスと連携した「求人ステーション」で、企業に対する副業・兼業人材活用アドバイス・コーディネートを実施。多様な働き方を志向する人々が安心して働くことができる環境づくりと、新たな活躍の場を広げる取組みを推進している。
会員総数100,534名(フリーランス白書等の実態調査の母集団となる一般会員・無料会員・SNSフォロワー)、一般会員数15,932名、法人会員数234社(内、コワーキングスペース105)社。(2023年11月30日現在)

<団体概要>
・法人名 :一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
・URL :https://www.freelance-jp.org
・代表理事:平田麻莉
・設立 :2017年1月26日(同年4月20日に一般社団法人化)
・所在地 :東京都中央区 八重洲2-8-7 福岡ビル4F DIAGONAL RUN TOKYO内

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