新型コロナウイルス感染拡大防止措置によるフリーランス・自営業者への影響の甚大さを鑑みて、フリーランス協会に寄せられたコメントや政府への要望を届けるため、内閣総理大臣、内閣官房長官に宛てて「新型コロナウイルス感染拡大防止措置によるフリーランスへの影響に関する声明と緊急要請」を公開しました。
皆様のご賛同・拡散をお願い申し上げます。
新型コロナウイルスに関する政府要請の影響で仕事ができないフリーランスにも救済措置を!
Change.orgでの署名ご賛同はこちら http://chng.it/w27CVNNdWC
声明と緊急要請の背景はこちらの記事もご覧ください。
無利子無担保の10万円融資では、フリーランスの悲鳴が鳴り止まない理由 https://news.yahoo.co.jp/byline/hiratamari/20200309-00166852/
新型コロナウイルス感染拡大防止措置によるフリーランスへの影響に関する声明と緊急要請(2020年3月9日9:00AM)
全文PDFはこちら https://blog.freelance-jp.org/wp-content/uploads/2020/03/freelance-damaged-by-COVID-19-1.pdf
内閣総理大臣 安倍晋三殿
内閣官房長官 菅 義偉殿
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・
フリーランス協会
代表理事 平田麻莉
新型コロナウイルス感染拡大防止にご尽力いただき、深く感謝申し上げます。官邸および各省庁の皆様におかれましては、不眠不休で対策に奔走いただいていることに、心より敬意を表します。
世界規模で感染が拡大する中、日本国内における感染拡大が一定程度に抑制されているのは、感染拡大防止を最優先とした政治判断を迅速に行っていただいたお陰と心得ております。一方で、大規模のイベント自粛、全国一斉休校、ジム・ライブハウス等の運営自粛といった政府要請を受けて、関連業界業種のフリーランス(個人事業主や零細事業者)に甚大な経済的影響が及んでいます。
フリーランスは中小企業と比べて資金的体力に乏しく、また、業務委託契約でありながら特定の職場で労働者に近い働き方をしている者も存在します。当協会へも、政府要請という不可抗力によって休業を余儀なくされているフリーランスからの悲鳴や不安の声、3月4日午後の内閣官房長官記者会見を受けて救済措置を期待する声が、続々と寄せられております。
自営業者の趣旨からして、フリーランスに「休業」や「補償」の概念が馴染まないことは重々承知しており、現行法制度の範囲で可能な限りの支援策は、関係省庁の皆様に十分な検討を尽くしていただいている認識です。しかしながら、このままでは、各種要請で打撃を受けたフリーランスの経済的困窮や自己破産が相次ぐことが懸念されます。
どうか、次頁の緊急要請についてご検討いただき、これまで政府が提唱してくださった多様な働き方の推進を妨げない政治判断を、何卒お願い申し上げます。
■緊急要請 1.全国一斉休校要請(2月27日)による影響について ・専門家会議と相談の上問題なければ、全国一斉休校は予定通り3月で終了し、休校等に伴い休業せざるを得ない者が4月以降速やかに仕事を再開できるよう促すこと。休校等に伴い休業せざるを得ない者には、自宅で子どもと過ごす保護者だけではなく、学習塾や幼児教室、習い事の講師なども含む。 ・定常的に特定の取引先で働いていることを証明できる個人事業主など、労働者に近い働き方をしており、休校等に伴い休業せざるを得ない者については、非正規の短時間労働者と同等の給付型支援を一般財源で行うこと。 ・企業主導型ベビーシッター利用者支援事業のベビーシッター割引券を、3月のみ特例的に、休校等に伴い休業せざるを得ないフリーランスも利用できるようにすること。フリーランス協会が割引券承認事業者の役割を担うなどの協力は惜しまない。 ■緊急要請 2.大規模イベント自粛要請(2月26日)、フィットネスクラブ・ライブハウス等の運営自粛要請(3月1日)による影響について ・規模の大小に関わらず広範なイベントが自粛されている状況を踏まえ、専門家会議と相談の上問題なければ、広範なイベント自粛要請は当初の予定通り3月10日で終了すること。その後も大規模イベントについて自粛を継続する必要がある場合は、自粛対象となる大規模イベントの詳細な定義を行うこと。 ・3月7日に発表された個人事業主を含む中小・小規模事業者支援のための特別貸付制度(無利子・無担保融資)について、見込み収入の消失だけでなく、支払い済み経費で損害を被り、資金繰りにあえぐ事業者を考慮し、上限額を100万円(少なくとも50万円)に引き上げること。 ■緊急要請3.各種自粛要請全般による影響について ・自粛要請により不可抗力的に仕事が減少または消失した業界業種の個人事業主に対する救済措置として、2019年度の確定申告実績に基づく平均月額所得の80%程度の給付型支援を一般財源で行うこと。具体的には、学習塾や幼児教室、習い事の講師、美容師、エステティシャン、アーティスト、俳優・声優、MC・アナウンサー、フォトグラファー、イベントプロデューサー、映像・音響オペレータ、ケータリング提供、フラワーコーディネーター、通訳、研修講師、フィットネスインストラクターなどが想定される。 |
■参考:新型コロナウイルス感染拡大における不安や課題に関してフリーランス協会に寄せられたコメント(一部抜粋)
Q. 新型コロナウイルス感染拡大で実際にどういう影響が出ましたか?
▼全国一斉休校要請(2月27日)による影響
音楽教育の現場では、学校が休校になれば連鎖的にお休みにさぜるを得ないのが現状。いつ元に戻るかわからずです。又、演奏の仕事では集客自体がNGとなれば全ての仕事がなくなります。(ピアニスト、ピアノ講師)
学校で行う教員・生徒対象としていた研修や講演、団体や企業が主催するワークショップが中止や延期となり、3月に予定していた案件が全てなくなった。例年この時期より入ってくる4月以降の仕事の問い合わせや相談も、見通しが立たないからか途絶えた状態。(プランニングディレクター)
区の施設の水泳教室のため、学校が休みになったら開催は難しい状態に。3月中旬までの予定の教室が2/28からすべて休講となり、4月から開始予定が5月からになりました。指導のないときは監視業務でしたが、一般開放も中止のため、そちらの仕事もなくなりました。(水泳指導)
学校休校に伴い習字教室も臨時休講せざる得なく、収入がなくなる。それでもテナント家賃や光熱費がかかる為、赤字。(習字教室の先生)
卒業式の中止により、卒業袴の当日撮影のキャンセル(またはキャンセルの可能性)・スポーツ大会の中止により、雑誌での取材、撮影のキャンセル・各種イベント、講演会等の中止により、撮影のキャンセル(フォトグラファー)
シングルファーザーで小学生を抱えるため休業を余儀なくされている(エンジニア)
一斉休校のため、入っていた仕事を断った、オンラインに変更(価格やすくなった)、対面の仕事を入れられない、着付師の仕事はイベント自体取りやめや延期で激減(着付師)
小学校低学年の子供が休校により毎日家にいるため(学童は13時以降開園);仕事ができる時間が非常に限られる(その分は仕事を断る(=収入減)+深夜早朝に仕事をすることで対応せざるを得ない状況)。仕事に「集中」できる時間が限られる。普段からリモートワークを中心に仕事をしているが、リモートワークの生産性の高さは子どもがいない状態で集中して仕事ができる場合の話。子供が隣にいる状態で生産性高く仕事をすることは非常に難しい。かつ、この期間、親は在宅で仕事をしながらも子供の勉強を見る、という2足の草鞋をはくことになる。①仕事に集中するか(子供の教育は諦める)、②子供の勉強を見る(仕事は諦める)、③どちらも中途半端に両立する、という難しい選択を日々迫られている(マーケティング)
普段繁忙店で有名な美容室で働かせて頂いてるのですが、(朝オープン前に20名弱とか並びます)休校措置が出た次の日から朝も3人並べば良い方、帰るまでも今までの3分の1程度のお客様しか担当出来ず、歩合で決まるので収入が全然見込めません。これがいつまで続くのかの不安と政府はどこまで保障してくれるのか…不安でなりません。小学生の子供二人育てながらのシングルの家庭なので生活かかってます。(美容師)
コロナの影響で、見込んでいた客数が、かなり減っています。小さなお子さんのいるお客様も多いので、今回の休校により、外出出来なく、無論、ネイルサロンにも出掛けられないお客様方等が、その原因となっていると思われます。また、わざわざこんな時にネイルサロンに行かなくても…という考えのお客様もいるはずです。3/8(日)の時点で、来週の予約数はゼロです。中小企業等に出されている補助の内容等は、前年の同月との売上と比較して…とありますが、私自身、経営は9年になりますが、昨年は、子供が待機児童となってしまった為、主人が仕事が休みの日しか営業出来なかったのが事実です。ですので、前年と比べられると、どうしようもありません。昨年の4月から、入園出来ましたので、それ以降は、クーポンサイト等も利用し、順調よく売上を上げていっていた矢先に、今回の影響で、売上が減って困っています。(ネイリスト)
3月に入り、お客様の来店が著しく減った。当店はホットペッパービューティーから主に予約が入り、主婦の方が多いので、学校が休校になり子供が家にいる理由で家から出られないというのも理由にあると思います。給料は歩合の為、スタッフ一同非常に困っております。(リラクゼーション)
卒業式などイベント中止によるフェイシャルなどの予約キャンセル、休校で子供をおいていけないためキャンセル、密室で濃厚接触になるなどの理由で、3月の予約は8割がキャンセルになってしまいました。ほとんどがリピーター様なので、4月は様子を見て、戻ってもらえると思いますが、3月の売り上げがほとんどないことになるので、とても苦しいです。それと、私は孫と2人暮らしで、祖母子家庭です。そもそも祖母子手当てなどないのですが、そちらの尺度からもなにか手当てがあると助かるのですが。従業員はいない小規模なサロンではありますが、なにか補償や補助など説に願います。(プライベートエステサロン)
▼大規模イベント自粛要請(2月26日)による影響
すべての仕事がキャンセルになり無収入になりました。収束が見えないため4月の仕事もすでにキャンセルになり2ヶ月強、無収入になります。(ピアニスト)
3月予定の学会、その他イベント中止により、仕事依頼案件が全てキャンセルでゼロ収入(映像 音響 オペレーター)
3月のコンサートは全キャンセル、4月のコンサートは半分キャンセル、5月も2本キャンセルが決まっています。(コンサート制作業)
現場となる音楽公演が、一方的にしかも2現場キャンセルされ、翌月の生活費や資金がない。(サウンドデザイナー)
コンサート(大ホール、小ホール含めてのイベント中止)、結婚式、お葬式などの定期的な演奏が全て無くなりました。(演奏家)
3月中のイベント中止、延期に伴い仕事がキャンセルに。ダンススタジオも1ヶ月休講になったため、収入源の3分の2がゼロになってしまいます。4月頭に予定されているワークショップも、今の状況で決行出来るか判断が難しく、精神的にもストレスを感じています。(ダンサー、ダンスインストラクター)
イベントMC中止、披露宴司会延期.新入社会人研修、スキル研修中止(フリーアナウンサー)
3月だけで講演が17件中止になり、年収の半分が失われた。(講師)
出展先のイベントが開催中止になりました。既に経費を支払っていて返金がない物もあり支出のみでマイナスになってしまいます。(講師)
3月の研修および付随する打ち合わせがキャンセル・延期に。4月以降もまだスケジュールが見えていない状況。プラス、学校の休校により、子供(息子・8歳)の預け先に奮闘。収入源だが支出が増える状態。(人材(組織開発・コーチング))
3月に入っていた通訳の仕事が今のところ4月に延期。イベントの中止などが発生しています。延期を提案された日付が空いていたのでよかったのですが、もしも学校行事などと被る場合、延期したことで仕事が減っていました。なお延期されると来月入る予定の収入が、翌々月になり、そういったことも影響がでます。(通訳・翻訳)
小売店舗店頭での実演販売中止。イベントMC案件の中止。展示会でのMCパフォーマンス案件の中止。研修指導講義の中止。(実演販売士)
企業や商工会議所などから月2本程度あった講演の依頼がぱったりと途絶えたほか、政府の自粛要請により、自身が主催する勉強会(こちらは主に個人向け)の開催が難しくなり収入が減少。(エコノミスト)
海外イベントがなくなり旅費に(キャンセル等)大きなマイナスが出ました。国内イベントも激減しています。(ライター)
3月、4月のイベントが飛び、そこでのギャランティを見込めなくなった。また、現在、映画館が封鎖されるところが多く、映画の公開スケジュールにめどが満たなくなり、今後、紙媒体での映画欄の縮小や特集ページの縮小が予想され、仕事が激減する可能性が大きい。実際、大手映画会社は3月公開予定だった作品を初夏に変更するなどして、直近に出すはずだったインタビューや映画批評の掲載もかなり先になり、となると実質的にギャラが入ってくるのも非常に先になってしまい、それまでもたない。(ライター)
▼フィットネスクラブ・ライブハウス等の運営自粛要請(3月1日)による影響
施設が3月前半は利用できず、後半も利用再開のめどが立たないこと、活動自粛を要請するという政府の方針に合わせる形で、所属しているクラブの3月中の全教室レッスン(週6レッスン)が中止になりました。また小学校や放課後事業でのレッスン(週4回)もすべて中止になりました。生徒の皆さんの新年度の更新手続きもできないまま、活動がすべて止まった状態です。3月無収入は確定。いつまで無収入なのかまったく見通しがつきません。(スポーツインストラクター)
政府の自粛要請により、フィットネスクラブのスタジオレッスンがほぼ閉鎖になり、2週間丸々休みになりました。ありがたい事に給与補償をしてくださる会社様もいらっしゃいましたがごく少数です。約半月分の給料がなくなり、また状況によっては自粛期間延長の可能性もあるとの事でこの先が不安です。給与補償がないというのを知った上でフリーランスの道に進んだのでその為の貯金でしばらくは生活出来ますが、業務再開の目処が絶たれてしまうような事態になると非常に不安です。(フィットネスインストラクター)
自粛に伴いスポーツジムが休館になり仕事を失い収入0です(ヨガインストラクター)
2月末から3月末まで、突然仕事が無くなりました。自治体が主に開催している介護予防運動教室が全て休止となり、報酬が全て補償されないという現況。小2の子供もおり二人暮しです。生活が貧困です。(フリーインストラクター)
▼その他の影響
新規予約が全く入らず、既存の予約に対してもキャンセルが多発しています。そのため、購入した施設のローンの返済が滞る懸念があります。(宿泊業)
出先仕事のキャンセル、来店客の激減(飲食業)
サービス業をメインに顧客に抱えているため、キャンセルで現状収入60%減(デザイン業)
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※緊急コメント募集に寄せられたご意見を一部抜粋して紹介しています。個人が特定されないよう万全の配慮を期しておりますが、不都合がある方は速やかに非掲載にしますので、お手数ですがご一報ください。
新型コロナ感染拡大におけるフリーランスの不安や課題に関するコメントおよび政府への要望
引き続き、こちらの回答フォームから受け付けております。あなたの声を寄せてください。
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>報道関係者各位
フリーランスへの影響を知りたい、困っているフリーランスの声を取材したいというご要望につきまして、今回のコメント募集で取材対応可と回答くださった方については、ご要望に応じてご紹介させていただく所存です。
pr[@]freelance-jp.org ([]内は半角)までお問い合わせください。
※3月18日追記
緊急要請について多くのメディアで報道&SNSで拡散いただき、署名にも多くのご賛同を頂いたお陰で、3月10日夜に打ち出された緊急対応策第2弾では、フリーランスへの支援策が盛り込まれました。ぜひご確認ください。
新型コロナで窮地に追い込まれるフリーランス、支援策の全てを徹底解説(Business Insider Japan)