プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会

【代表ブログ】プロボノ組織を卒業します

こんにちは。ヒラマリです。すっかり桜も散って、春ですね。

フリーランス協会ではこれまで、プロボノ組織であることを全面的に謳ってきました。

私を含めて40名近いメンバーのほぼ全員がプロボノ(ボランティア)を基本とし、様々なスキルを提供しながらプロジェクトやチームを動かす組織だったのです。

設立当初は先立つ資金が無かったこともありますが、それ以上に、商売や生活の糧のための仕事としてではなく、「誰もが自律的なキャリアを築ける社会」に向けて、公正中立な視点を持ちつつ、本気で自分ごととして動いてくれるボランタリーなメンバーで活動していきたいという想いもあり、自分なりにプロボノ運営にこだわってきました。

最初の2年間くらいは、一人ひとりが自分の事業もある中、限られたリソースでのプロボノ貢献なので、時たま(しょっちゅう?)誰も拾えなかったボールが落ちてしまうこともありました。

試行錯誤の結果、3年目からは細かい定型の事務作業(日程調整やメールの一次対応、Zoom設定、各プロジェクトから挙がってくる情報のSNSへの転載、経理事務など)は全て、有償のアシスタント(事務局のコミュニティマネージャー)に拾ってもらう体制を構築してきました。
また、他メンバーについても、あくまでプロボノが前提(固定給は無い)ながらも、具体的な業務を担って活動するメンバーにはプロジェクトやタスクに応じた業務委託報酬を支払うようになりました。

コミュマネチームの奮闘のお陰もあり、4年目はかなりスムーズに事務局内の活動が回るようになっていました。

しかし、
・ごく一部のコミュマネを除き、プロボノ前提メンバーは事務局にとって必要な人材であっても本業が忙しくなったという時に引き止められない(リソースを確保してもらいづらい)という問題が出てきたこと
・フリーランス協会の活動の規模や領域が拡大するにつれて、コミュマネチームの負担が増大したこと
・フリーランスが正当な報酬をもらえるようになることを目指している団体としての自己矛盾
などから、このたび、設立当初からのこだわりを改めることにしました

お陰様で有料の一般会員も徐々に増え(4.1時点で6909人)、40名近いメンバーに毎月安定的に報酬をお支払いできる財政基盤も整っていたので、昨年11月から段階的に、プロボノ前提から契約前提の組織に切り替えてきました。

そして、今月からは遂に、事務局メンバー全員がプロボノではなくなります
他のメンバーのフォローに徹するコミュニティマネージャーという存在も無くなり、全員が自身の専門性や関心領域に基づき、具体的なミッションを持って活動する形になります。

さらに、私や他の理事にも、今月から報酬支払いを開始します。つまり、今月からは、私も完全なボランティアではなくなります

他メンバーへの安定的な支払いをしたいということ自体はずっと考えてきて、理事会でも合意していたことでしたが、正直、自分自身がプロボノでなくなることだけは、これまで対外的に話してきた信念やこだわりを覆すようで、最後の最後まで抵抗がありました。(今思えば自分でも呆れるほど頑なになり、まるで聞き分けのない子どもをあやすように、事務局長から電話で1時間かけて説得されたのは香ばしい思い出です。汗)

でも今は、フリーランス協会も次のステージに入っていく上で、過去のこだわりは改めるべきなのだろうなと受け止めています。これからはボランティアではなく、仕事として。今更ながら、ようやく普通の組織になったということかもしれません

というわけで、半年間の議論や準備を経てプロボノ組織を卒業し、新体制(普通の契約組織)となるフリーランス協会ですが、今後も引き続き、自分たち自身が第一線で多様な働き方や生き方を体現しているという自負を持ちながら、受発注関係とも指揮命令関係とも異なる、「自律した個の集合体」としての組織運営にチャレンジし続けたいと思います。

対外的にはおそらくほとんど何も変わらないと思うのですが、事務局内部にとってはなかなか大きな決断と変化だったので、所信表明も兼ねてご報告でした!

 

検索

新着記事

人気記事