プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会

【11/7(土)開催】青山学院大学シンポジウム「フリーランス法の施行後 3 年を目途とした見直しに向けて」

フリーランス法の施行後 3 年を目途とした見直しに向けて —法の施行状況の評価と法改正等の必要性について—

フリーランス法の施行状況を踏まえ、2030年の施行後6年を見据えて、法の実効性や取引実態との適合性を総点検するとともに、法改正等の必要性について検討します。当協会代表理事の平田も登壇します。

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フリーランス法*1施行から2年が経ちます。
この間、公取委は18名の事業者に対し勧告を行っているほか(8月21日現在)、集中調査等に基づく行政指導を行っています。また、独禁法や取適法*2に関するものも含みますが、「実演家等と芸能事務所、放送事業者等及びレコード会社との取引の適正化」、「アニメの制作現場における取引の適正化」、「映画の制作現場における取引の適正化」のそれぞれについて、法律上の具体的な考え方を示した指針が公表されています。
さらに、取適法上の「製造委託等」の受注者(中小受託事業者)となるフリーランスについては、発注者(委託事業者)の遵守事項としてフリーランス法に規定されていないもの(特に、取適法5条2項4号(協議を適切に行わない代金額の決定の禁止))が新設されるなど、取適法の改正・施行にも対応する必要が生じています。来年の4月1日に施行される改正物流特殊指定*3と支払告示*4への対応も十全なものとしておかなければなりません。

このような目まぐるしい動きのなかで、フリーランス法に基づく18件の勧告事例をみると、それらの大半が文化芸術・芸能・クリエイティブ分野の発注者に対するものであり、当該分野における取引の適正化が道半ばであることを強く印象づけています。勧告事例の違反行為については、取引条件の明示義務 (3 条 1 項)や期日における報酬支払義務 (4 条 5 項) という 『適正取引の基本』 の欠如が多くみられる一方、報酬の減額の禁止 (5 条 1 項 2 号) や不当な経済上の利益の提供要請の禁止 (5 条 2 項 1 号) の違反が認定された事案も現れており、フリーランスに対する優越的地位の濫用が後を絶たない様子も見受けられます。
公取委や中企庁によるフリーランス法の施行の状況をみると、他の法令に類例がない大規模かつ多様な周知徹底・広報の取組みが行われてきたほか、集中調査等に基づくものを含めて、勧告等の行政指導が積極的に行われてきましたが、法の施行状況に関する公表情報は全国で行われている多種多様な取引の一部であるため、フリーランス法による「取引の適正化」の推進・徹底を図るためには、法令の規定と解釈適用がフリーランスの取引実態と十分に適合したものであるかどうか、『総点検』をしておく必要があります。フリーランス法の附則が 「政府は、この法律の施行後 3 年を目途として、この法律の規定の施行の状況を勘案し、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」 と規定しているところ、来年 11 月に 「施行後 3 年」 を控えるいま、そのような総点検を行うことは時宜に適うと考えます。

このシンポジウムでは、施行後6年に当たる2030年を見据えて、経済法や労働法の研究者による理論的検討と、フリーランスの取引実態に精通した実務者による報告や問題提起を交えて、フリーランス法の施行状況を評価するとともに、法改正等の必要性について検討します。


*1: 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第25号)
*2: 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(昭和31年法律第120号;令和7年法律第41号で改正され たもの)
*3: 特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合等の特定の不公正な取引方法(平成16年3月8日公取委告示第1号;令和8年6月18日公取委告示第2号で改正されたもの)
*4: 製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法(令和8年6月18日公取委告示第3号)


■ 開催概要


日時:2026年11月7日(土)14:00~16:30

形式: Webexウェビナー 11月5日(木)参加申込メールアドレスへ接続情報をお知らせ
   ※Webexウェビナーへアクセスするには、アプリケーションのダウンロードが必要です

参加費:無料

参加申込:事前申込制
    10月31日(土)までに、下記URLまたはQRコードから申込手続きを行ってください  
     https://forms.gle/nyQWdYufzC3nwSP2A 

主催:青山学院大学法学部教授 岡田直己


■ タイムスケジュール

14:00 開会・基調講演
    岡田直己 (青山学院大学法学部教授)

14:20 講演 「フリーランス法・政策の評価と課題ー経済法の観点から」
    長谷河亜希子 (弘前大学人文社会科学部教授)

14:40 講演 「フリーランスと労働者性」
    橋本陽子 (学習院大学法学部教授)

15:00 休憩

15:10 講演 「フリーランス白書調査結果からみる取引現場におけるフリーランス法の影響」
    平田麻莉 (一般社団法人フリーランス協会 代表理事)

15:30 講演 「フリーランス・トラブル110番の相談事例から見たフリーランス法の施行状況と課題」
    山田康成 (ひかり総合法律事務所パートナー弁護士;フリーランス・トラブル110番事務責任者)

15:50 パネルディスカッション
    *主催者が司会を務め、講演者による議論のほか、時間が許す限り、参加者から事前に頂いた質問に回答いたします

16:30 閉会

■ 登壇者紹介

岡田直己 (青山学院大学法学部教授)

慶應義塾大学法学部法律学科、同大学院法学研究科修士課程・後期博士課程、青山学院大学大学院法務研究科助手、法学部准教授を経て現職。専門分野は経済法。フリーランスや芸能従事者をめぐる労働市場の問題など論文多数。編著書として鎌田耕一=岡田直己編著『Q&Aフリーランス法の解説』(三省堂、2025)、岡田直己=石川哲平編著『Q&A取適法の解説』(三省堂、2026)がある。公取委職員研修講師(2019~2024年度)、公取委「特定受託事業者に係る取引の適正化に関する検討会」委員。ヴィジュアル系ロックバンド「FEST VAINQUEUR」の専属契約をめぐる損害賠償請求事件(知財高判令和4年12月26日)芸能実演家側意見書、フリーランス書籍編集者に対する旧下請法違反行為をめぐる損害賠償請求事件(東京高判令和8年3月19日)の書籍編集者側意見書、公取委に対し独禁法等の執行を求める芸能実演家側法律意見書の提出など実務連携も多い。

・長谷河亜希子 (弘前大学人文社会科学部教授)

弘前大学人文学部現代社会課程講師、同准教授を経て現職。専門分野は経済法。主な著作・論文として、「フリーランスと経済法(独禁法・下請法・フリーランス新法)」鎌田耕一=長谷川聡編著『フリーランスの働き方と法ー実態と課題解決の方向性(第2版)』(日本法令、2025)、「労働プラットフォームと経済法—デリバリー系を中心に—」土田和博編著『デジタル・エコシステムをめぐる法的視座』(日本評論社、2024)、「労働法と経済法の協働—米国競争当局の動向を参考に—」日本労働法学会誌137号(2024)、「欧米競争当局の労働問題への取り組みと日本の競争政策への示唆」公正取引878号(2023)、 「労働市場におけるフェアネス—競争法の観点から—」日本経済法学会年報43号(2022)がある。

・橋本陽子 (学習院大学法学部教授)

東京大学法学部、同大学院法学政治学研究科修士課程、同法学部助手、学習院大学法学部助教授を経て現職。ドイツ・ゲッティンゲン大学(2002~2004年)、ドイツ・ビーレフェルト大学(2017~2018年)で在外研究。労働法の適用対象者である「労働者」の定義が主な研究テーマであり、著書として、『労働者の基本概念—労働者性の判断要素と判断方法—』(弘文堂、2021)、『デジタルプラットフォームと労働法—労働者概念の生成と展開—』(石田信平、竹内(奥野)寿、水町勇一郎氏との共著)(東京大学出版会、2022)、『労働法はフリーランスを守れるか—今後の雇用社会を考える—』(ちくま新書、2024)、同書の韓国語版として、저)、『노동법은권오성프리랜서를 보호할 수 있을까?・박수경 역(하시모토요코앞으로의 고용사회를 생각하다』,정독, 2024)がある。

・平田麻莉 (一般社団法人フリーランス協会 代表理事)

慶應SFC在学中にPR会社ビルコムの創業期に参画。研究者を志し、ケロッグ経営大学院への交換留学を経て、慶應ビジネス・スクール修了。博士課程へ進学するも出産を機に中退。フリーランスで段階的に社会復帰し、2017年にフリーランス協会設立。非営利で全員複業の当事者団体として、フリーランス法の成立やフリーランス向け福利厚生の提供など、新しい働き方のムーブメントづくりと環境整備に尽力。政府検討会の委員・有識者経験多数。慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)特任助教。Co-Innovation University 准教授。日経 WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020」受賞。

・山田康成 (ひかり総合法律事務所パートナー弁護士;フリーランス・トラブル110番事務責任者)

第二東京弁護士会労働問題検討委員会副委員長。厚生労働省委託事業「フリーランス・トラブル110番」の開設以来、事務責任者として年間約13,400件(2025年度)の相談対応と和解あっせんの運営を行う。厚生労働省「特定受託事業者の就業環境整備に関する検討会」委員、国際基督教大学非常勤講師(社会保障法)。主な著作・論文として、共著『フリーランスの働き方と法〔第2版〕』(日本法令、2025)、編集代表『ケーススタディでわかる フリーランス・事業者間取引適正化等法の実務対応』(第一法規、2024)、「フリーランス法における就業環境整備に関する規制の概要と問題点」季刊労働法287号(2024)、「フリーランス法の概要と実務上の重要ポイント」 Law &Technology 105 号(2024)、「フリーランス・トラブル110番の概要と寄せられる相談事例」税研242号(2025)など。

* このシンポジウムは、2024年6月29日開催の国際シンポジウム「芸能・クリエイティブ分野における取引適正化と法の役割—フリーランス法・下請法・独占禁止法と執行、今後の課題—」(主催:青山学院大学法学部教授・岡田直己;青山学院大学、グレートササカワ・ブリテン財団、大和日英基金及びJSPS科研費24H00013の助成)、2025 年11月22日開催のフリーランス・シンポジウム2025「フリーランス法の施行状況をめぐる法政策上の課題と芸能・クリエイティブ分野の取組み—経済法と労働法による対応—」(主催:青山学院大学法学部教授・岡田直己;青山学院大学法学部附置判例研究所の助成)に続くものとして、フリーランス法が施行された11月に開催するものです。

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