【イベントレポート】起業手続きの面倒くささが解消される?  「電子化」のメリット&デメリットを徹底トーーーク!(下)

1月18日に行われた「内閣官房と法人設立申請の電子化を考えてみよう」のセミナーレポートも、いよいよ最終回! 起業するときの必須アイテム、印鑑について切り込みます。法人設立に限らず、契約書や申請書類には必ず印鑑が求められます。印鑑文化も電子化をさまたげる要因? 前回に引き続き、内閣官房日本経済再生総合事務局の川村尚永さんのお話をお届けします。

>前回までの「電子化」のメリット&デメリットを徹底トーーーク!() (

 

印鑑にする? それとも電子署名にする?

オンライン化やペーパーレス化をさまたげる要因として槍玉にあがりがちなのが、印鑑。電子化時代には、印鑑文化はすたれていくのでしょうか。

「印鑑は、商業登記における本人確認の手段。登録された印鑑であれば、その証明書によって第三者でも間違いなく本人であることを確認できる。紙の手続きでは非常にすぐれたもので、イノベーションであったと思います。

デジタル時代は、印鑑に替わるものとして電子署名が使われることになります。電子署名法に基づき、その機能に印鑑同様、法的な効果が与えられています。

電子署名は民間の分野でも進んでいます。電子契約のメリットは、まず印紙税がいらないこと。また紙よりも管理コストがかからず、検索も簡単です。郵送の手違いなどの心配もなく、時短になることなら、いま、爆発的に普及しています。さらに、紙とちがってログが残るので、不正防止にもつながる、という点もポイントです」

ただ、印鑑、電子署名にはそれぞれにメリット、デメリットがあり、一概に電子署名がすぐれている、とも言い切れないようです。

「印鑑の手続きは浸透していて、紙に押すのも簡単です。電子署名は使い勝手がよくない、なじみのないものに導入コストをかけたくない、という声も聞かれます。セキュリティの面では、印影はスキャナーで簡単にコピーできたり、印鑑そのものを盗難、偽造される心配も。電子証明書は、暗号化技術の種類にもよりますが、スーパーコンピュターで1年かけて解析しなければ破られないほどの強度になっています。ただ、技術は日進月歩ですから、いたちごっこの世界かもしれません。また、パスワードの設定や管理の仕方にも注意が必要です。」

今後は、印鑑と電子証明、どちらも任意で選べる選択制が検討されているそう。

「メリット・デメリットはそれぞれにある。双方の特徴を知って、正しくこわがりながら、どちらをどう使っていくか、ということになるでしょう」

電子化によって、起業は増える?

セミナーの終盤、参加した方から「日本の起業人口が少ないのは、手続きの問題? 電子化すれば法人化する人が増えるのでしょうか?」という質問が上がりました。

「もちろん手続きだけで解決できる話ではない」と川村さん。

「アントレプレナーシップを持つ人が増え、フリーランスのような自律的な働き方であったり、事業の仕方だったりと、変わっていくことが必要です。

一方で、単なる手続きに時間をかけるのはやめよう、と。手続きをスマートにしたから起業が増えるとは限りませんが、スマートにすることによって多忙を極める経営者の時間を有効に活用できる。手続きに貴重なリソースをさくのではなく、経営戦略を練ったり、営業をしたりということに時間とコストをかけられるようになれば、実質的にはそのあとの生存率が上がるのではないか、と仮説を立てています」

感想をリアルタイムで共有! 高まる電子化への期待感

「法人設立申請の電子化」は、本セミナーの参加者にどのように受け止められたのか。本セミナーでは、参加者の質問や感想がリアルタイムでスマホに共有され、多くの声が画面にあふれました。また、セミナーの最終盤には、スマホで答える電子化についてのアンケートを実施。そのデータがリアルタイムで共有される、という興味深い試みも行われました。アンケート結果の一部を抜粋します。

 

回答数はどちらも51名。電子化への期待の大きさが感じられます。

最後に一言ずつ、パネラー陣からのメッセージをいただいて充実のセミナーは幕を閉じました。

齊藤さん:「法人化によってどんなメリットがあるかは、ケースバイケース。ただ私の場合は、メリットのほうを多く感じています。起業を考えているかたは、ぜひいろいろ調べて、検討し、そしていざ設立となればかしこくスムーズに申請して、事業に邁進していけたらいいな、と思います」

渡辺さん:「人生かけて起業するうえで、自分が信じる未来に向かって時間を使いたいというのは当たり前。そういった意味で、面倒で大変な手続きが電子化によって圧縮されることを期待しています」

中山さん:「法人化しなくても、個人のサイズで活躍できる世の中であればベストだなという思いはあります。法人化したいという気持ちがある人は気軽に、個人のままでいたいという人はそれを自由に選択できる。そういう世の中にむけて、制度もいっしょに変わってくることを願っています」

川村さん「行政から変えることで、民間の業務変革を実現したい。商慣行まで変えていくような取り組みをいっしょにやっていきたいと思っています」

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いままさに進んでいる「電子化」についての情報が満載のセミナー。起業プロセスの簡便化に、デジタルトランスフォーメーションによる業務の効率化、当たり前だった仕事や手続きのあり方がかわる日はもうすぐそこまできています!

法人設立を視野に入れている方は、引き続き「法人設立の電子化」にご注目ください!

 

>前回までの「電子化」のメリット&デメリットを徹底トーーーク!(上)     (中)

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