ヒラマリです。昨日のNHKおはよう日本で、「インボイス2%~アクション」について紹介されました。
2分半のコーナーなのでキャンペーン詳細の説明まではなかったのですが、フリーランス協会の呼びかけに応じて、免税事業者との取引継続を表明する企業が出てきているという紹介でした。
当協会は2018年から、インボイス制度がフリーランスに与える問題に向き合ってきました。実態調査を踏まえてフリーランスが不利益を被らないよう政府への申し入れや仲介事業者への解説を行い、会員に対しても一貫して、一人一人が損することなく自身にとって最適な判断をできるようにとの趣旨で情報発信を行っています。
しかし、昨年末からTwitter上の一部界隈で、当協会に関する不正確な情報、憶測、虚偽の内容を含む誹謗中傷が断続的に拡散されており、大変悲しく、困惑しています。
ざっくり言えば、フリーランス協会がインボイスに賛成・推進する(そのために作られた?)巨悪の団体で、会員数を水増しして政府に対する影響力を持って働きかけ、インボイス反対運動を妨害している、といった内容です。
言うまでも無く、全くもって事実ではありません。
そうした情報源は基本的に、インボイス反対運動への誘導またはアフィリエイトや有料記事への誘導がなされており、内容自体も推論や匿名の伝聞情報(真偽は謎)を中心とした信ぴょう性に欠けるものです。しかし、私としては、誰とも対立したくない(対立しても状況が良くなるわけではない)という思いで、これまで反論や訂正をせず、ひたすら沈黙を守ってきました。
しかし、最近はあまりに目に余るデマも出現しており、当協会に携わる事務局メンバーやアドバイザリーボードの先生方、関係企業、そして何より、会員の皆さまに、ご迷惑・ご心配をおかけしていることに胸が痛むため、私自身の言葉で、シンプルに事実関係だけお伝えさせてください。
なお、不正確・虚偽の内容を伴う悪質な誹謗中傷等については、すべて証拠を保存し、名誉棄損等に対する法的措置を含めて検討しています。特に悪質性の高いものについては既に弁護士と準備を始めており、現時点で詳述できないこともある旨ご了承ください。
いずれにしても、毅然とした対応を取って参りますので、ご心配をお掛けしている会員の皆さまにおかれましては、どうぞご安心ください。
それではご関心のある方は、長くて恐縮ですが下記お目通しください。
<目次> ▼フリーランス協会は政治家や政府に対してインボイス賛成・支持と言って推進している? ▼フリーランス協会は税制調査会でデータを捻じ曲げて詭弁を言っている? ▼フリーランス協会はインボイス事業者登録させようとしている? ▼フリーランス協会は会員数を水増ししている? ▼フリーランス協会は問合せを無視している? ▼フリーランス協会は反対派をエコチェンバー扱いした? |
▼フリーランス協会は政治家や政府に対してインボイス賛成・支持と言って推進している?
事実ではありません。当協会は、①当協会の会員の中にも多様な考え方があり一つの総意があるわけではないこと、②インボイス制度が国民的議論を経て可決された法律であることの2つの理由から、インボイス制度について当協会が一方的に「賛成」や「反対」と申し上げたり、会員を扇動したりすべきではないと考えています。
そこは明確に事務局内で握っている共通ポリシーであり、私や当協会のメンバーがそのような発言をしたことは、どんな政治家・政府関係者に対しても、これまでありません。
▼フリーランス協会は税制調査会でデータを捻じ曲げて詭弁を言っている?
2022年5月の内閣府の税制調査会の議事録が、話題になっているようです。
私の「実際にデータを取ってみると自由回答の中身も含めて割と冷静に受け止めていらっしゃる方が多いという印象」「インボイスに反対する人が多いかというと自由回答を見てもそこまで顕著ではないという印象」との発言に対し、「フリーランス協会はインボイスの賛否を問う質問をしてないのに、インボイス制度の検討状況(課税事業者になる方向が4割、なるつもりがないが1割、分からないが4割)を根拠に、反対が少ないと言っている!詭弁だ!」ということらしいです。
でも、私が言及しているのは「自由回答」です。
その自由回答は一部抜粋して発表資料で指し示していただけでなく、全件公開し、政府関係者や委員にも送付しておりますので、その場を取り繕って印象操作をするような意図は毛頭ありません。
私が「意外と冷静に受け止めている人が多いんだな」と感じた自由回答一覧は、こちらのP.123以降でご確認いただけます。設問は2つあり、それぞれ744名、697名が回答してくださっています。本当に様々な受け止め方があります。
ちなみに余談ですが、この時の税制調査会のメインテーマは「働き方の変化」であり(報告ブログはこちら)、インボイス制度についての検討の場ではない(制度担当者もいない)ので、いずれにしても、ここでの私の発言が縦割り行政の中でインボイス政策に影響を与えるとは考えにくいです。
▼フリーランス協会はインボイス事業者登録させようとしている?
これも、事実ではありません。当協会の過去記事やセミナーレポートを見れば一目瞭然です。
当協会ではこれまで一貫して、「インボイス登録するか、免税事業者のままでいるかは、一人一人のフリーランスが、事業者として自身の今後の事業の内容を踏まえて自己選択することができる。施行ギリギリまで様子見するのも一手」であると繰り返しお伝えしてきており、登録期限の延長に際してもゆっくり慎重に検討するようオススメしています。
また、免税事業者のままでいることを選択するフリーランスに不利益が及ばないよう、消費税転嫁拒否や買いたたきに関する注意喚起を行うとともに、冒頭のNHK報道のとおり「インボイス2%~アクション」で、免税事業者とも報酬を維持して取引継続するよう、仲介事業者らにも呼びかけてきております。
私が「フリーランスをやるなら税金を払えるくらいの報酬があってはじめて個人事業と言える。免税状態は良くない」と発言していたみたいな噂もありますが、全くもって私の考え方とは違います。そもそも私自身も免税事業者のフリーランスですし、あえてインボイス事業者登録せず、取引先の反応を検証していこうと考えています。(フリーランス協会自体はインボイス事業者登録しています)
▼フリーランス協会は会員数を水増ししている?
フリーランス協会が政府や企業からいつも聞かれるのは、「けっきょく何人にフリーランス協会の情報が届いているの?何人くらいが調査の母集団になっているの?」ということです。
それを会員総数と呼んでいます。具体的には、一般会員・無料会員・SNSフォロワーの合算で、そのことは常に明示しています。昔はフォロワー総数と呼んでいた時期もありますが、会員を含むのにフォロワーという表現はおかしいのではとメディア関係者から指摘があり、会員総数になりました。(取材などでも会員数について聞かれたら丁寧に説明していますが、結果的に一般会員数ではなく会員総数の数字が引用されていることが多いです)
2月28日時点の会員総数は84,980人ですが、そのうち一般会員と無料会員はすべてユニークなメールアドレスに紐づいているので重複カウントはなく、5万人ほどいます。その他は会員情報が未登録のメルマガ受信者とSNSフォロワーで、SNSフォロワーについては一般会員・無料会員との重複を把握する術がないので重複はあると思いますが、そのことも全く隠しておりません。
あたかも会員数の水増しを暴露する!みたいなセンセーショナルな表現で情報発信がなされていますが、そこで言われている内容は、もともと全てのプレゼン資料やプレスリリースで記載されている公開情報です。
なお、当協会が、持続化給付金の実現にもつながったコロナ禍の緊急要請を出して首相官邸に呼ばれた時の会員総数(当時はフォロワー総数と呼んでいた)は2.5万人でしたし、会員総数と、政府への影響力はあまり関係ないのではないかと思います。それより、実態調査の回答者数と調査の質(統計的な信頼性)の方が圧倒的に大事だと思われます。
そして何より大切なこととして、私は、いかなる調査結果や意見も、「会員総数〇万人の総意」として示したことは一度たりともなく、相手がそのように誤解することもないよう最大限の配慮をしています。プレゼンではたいてい「フリーランスは多様である」というスライドから入っており、調査結果はいつも一枚岩ではなく、その意見の多様性をありのままに提示しています。もちろん回答者数や回答者属性も明記しています。
▼フリーランス協会は問合せを無視している?
アフィリエイトや有料ブログ等への誘導、フォロワー増加など、ご自身のビジネスのためトラフィックを稼ぐことが目的の可能性が見受けられるお問合せ、または情報を切り貼りして不正確な言説を広める意図があると見受けられるお問合せへの情報提供は、1回までという方針に致しております。
当協会を必要としてくださっている会員の皆さまからのお問合せに、限られた時間を充てるため、何卒ご了承ください。
▼フリーランス協会は反対派をエコチェンバー扱いした?
これは事実です。Twitterの当協会公式アカウントにより、そう読み取れる投稿がなされました。大変申し訳ございません。
その後削除していますが、多様な会員、多様なフリーランスがいることを一番大切に考えているはずのフリーランス協会の公式アカウントとしてあるまじき不適切な発言であり、当協会を代表して、あらためて深くお詫び申し上げます。
フリーランス協会のアカウントは、複数の担当者で分担して運用していますが、昨年末に開催したインボイスセミナーやインボイストラブル通報BOXの告知に対し、「フリーランスは”みんな”反対しているのに、反対しない協会はおかしい」と事実無根の誹謗中傷を含む多数のリプライや引用ツイートが集中的に寄せられ、他の投稿には返信しているのになぜそうした批判には返信しないのかと追求を受けたことを受け、運用担当者が感情的に反応してしまったものです。
いかなる理由があったにせよ、フリーランスの地位向上と公正中立を掲げるフリーランス協会の公式アカウントとして、あってはならない発言でした。 このことについては事務局内でもしっかり議論と反省を致しており、二度と同様のことがないよう、厳重に注意しております。この発言により当協会が失った信頼は、今後の日々の活動を通じて回復に努めて参る所存です。
長くなりましたが、私からは以上です。
Twitterで発信しているのは、ほとんどが当協会をご存じなく、会員でもない方とお見受けしますし、会員の大半は普段から当協会の発信をご覧になっているからか、憶測や虚偽の情報を鵜呑みにされている様子もありませんが(大変有難いことに誹謗中傷の拡散前後比で退会者急増ということも特になく)、当協会が明確にデマを否定してこなかったことで、会員の皆さまに不安を与えてしまっていたら、本当に申し訳ないです。
これからも「誰もが自律的なキャリアを築ける世の中」へ向けて、会員の皆さまが必要とされていることや課題を見極めながら、自分たちがやれる/やるべきことを一つずつ、地道にやって参りたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。