あけましてこんにちは!ヒラマリです。
「あけましておめでとうございます」って、一般的に1月7日までしか使えないそうですね。今年はうっかり三連休まで事務局の年末年始休業に設定していたので、「あけまして」のタイミングを逃してしまいました・汗。(今日のイベントを待たず、先にブログ公開すれば良かった説もありますが)
ということで、本日は、我らフリーランスも会社員にお馴染み?のアレをやってみたいということで、「賀詞交歓会」を開催しました。
会場キャパギリギリの約80名の会員様がご参集くださり、皆さんわざわざ励ましに来てくれたのかなって思うほど本当に有り難く温かいお言葉をたくさん頂いて、めちゃくちゃパワーを頂きました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました!(抽選漏れだった方ごめんなさい、来年はもっと大きなハコ押さえます!)
というわけで、2023年もよろしくお願いいたします!
前置きが長くなりましたが、賀詞交歓会で発表したニュースも一部含めつつ、トピックごとに、昨年の振返り&今年の抱負を紹介していきます!
注1:長いので、興味があるトピックを中心にお読みください。もちろん、全部読んで頂けたら泣いて喜びます。
注2:すべての活動やイベントは紹介しきれないので、主なものに限っています。関係者の皆様はご容赦ください!
会員規模
一年前のご挨拶では、会員総数(フリーランス白書等の実態調査の母集団となる一般会員・無料会員・SNSフォロワー)が6万人目前と言っていましたが、おかげさまで昨年末時点で8万人を超えました!
私たちの活動を支えてくださっている一般会員(有料会員)も12,799人となり、ベネフィットプランの提供や求人ステーション等で連携する法人会員は266社に上ります。
一般会員になってくださる方々の理由も、設立当初の数年間はベネフィットプランが中心だったと思いますが、この1年間は、協会の活動内容に共感して応援したいからとか、協会の発信する情報(セミナー、フリパラ、メルマガ等)に価値を感じているからといった声も届くようになり、事務局メンバー一同にとって本当に有難く、励みになっています。
この場を借りて深く御礼申し上げますmm
一人ひとりの声は小さくても、たくさん集まれば大きな声になる。フリーランス=独り じゃない。
それが、私がこの協会を立ち上げた理由であり、今でもフリーランス協会の最も大事な役割だと考えています。
今月25日に設立6周年を迎えるフリーランス協会は、国内最大規模のフリーランスネットワークとして、様々なステークホルダーからその役割期待をお預かりするようになりましたが、だからこそ、私たちは多様な会員、多様なフリーランスがいることを、何より大切に考えなければいけません。(年末年始にもあらためて、そのことを事務局内で確認しました。)
そして、これも設立当初から言っていたことですが、フリーランス白書が様々なところで参照されるようになっているからこそ、そのデータサンプルに偏りが出ないよう益々努力し続ける必要があります。
おかげさまで2021年に掲げていた2024年までの目標は、1年以上前倒しで達成したので、フリーランス白書等の調査対象(会員総数)を国内フリーランス人口(462万人)の約10%である40万人に拡げるという目標を、2026年までに前倒ししました。
今年も、より多くの、より多様なフリーランスの声を拾うため、ベネフィットプランやフリーランスにとって有益な情報の提供・発信を通じ、会員総数の拡大を目指してまいります!
ベネフィットプラン
昨年は、一般会員向け自動付帯サービスとして、税務・法務相談し放題サービス「コクリエ」、キャリアカウンセリング「フリーランスキャリアドック」を追加したほか、従来から提供していた弁護士費用保険「フリーガル」が自己負担0円で最大70万円まで利用できるようになりました。
また、会員向け優待として、法人登記サービス「GVA法人登記」、簡単HP作成サービス「ペライチ」、弁護士費用立替・補償サービス「アテラ/ATEリスク補償」、オリコのビジネスカード「EX Gold for Biz」が追加になり、お得に使える提携コワーキングスペースも全国123拠点に拡大しています。
そして11月には、従来から提供していたオンライン学習プラットフォーム「IBM SkillsBuild」と「Udemy for SkillsBuild」の運営パートナーとなったことで、これまで以上にスムーズにご利用いただけるようになりました。(このことが昨年末にTwitterで拡散されたお陰で、年末年始で無料&一般会員が2000名以上増えたことは嬉しい悲鳴でした。長い冬休みで登録をお待たせしてしまった方、申し訳ありませんでした!)
フリーランス協会はもともとボランティア集団として立ち上がった非営利団体なので、サステナブルな団体運営のための必要経費を除き、残りの収益は会費を預けてくださっている一般会員の皆さまにベネフィットプランを通じて還元する方針でやってきました。
こうして毎年ベネフィットプランを拡充できているのは、ひとえに、私たちの活動を支えてくださる一般会員が増えているおかげです。
そして今年は、遂に、密かに温めてきた構想が実現します!
2月中旬より、保険やWELBOX、コクリエ、キャリアドックを除く、ほぼすべてのベネフィットプラン(優待)を、無料会員にも開放いたします!
その意図は、会員規模のパートで書いたとおり、より多くの、より多様なフリーランスの声を集められる存在になりたいということ。
おかげさまでサステナブルな協会運営のための一つのマイルストーンとしていた「一般会員1万人」を昨年達成できたので、無料会員の皆様にもベネフィットプランをお裾分け(?)することで、会員の輪がもっと広がったら良いなと考えています。
もちろん、一般会員の皆様に支えられてこそのフリーランス協会ですので、一般会員限定のプレミアムベネフィットの拡充も、ますます頑張っていきますよ!
調査・白書
「フリーランス白書2022」は、定点観測で例年調査している仕事獲得経路や働き方満足度に加え、コロナ禍の業務・収入への影響、経理・法務の電子化への対応、インボイス制度への対応、仕事の選び方とマイプロジェクト、といったテーマで調査しました。
また、⽇本フードデリバリーサービス協会さんの協⼒を得て実現した⼤規模な「フードデリバリー配達員調査」では、フードデリバリー配達員の本音を探り、個人的にも意外な発見がたくさんありました。
そして、昨年10~11月には「フリーランス白書2023」の調査を行いました。調査結果は、2月上旬頃の公開を予定しています。
昨年3月に公開した「フリーランス白書2022」の冒頭には、私たちが大切にしている考え方を載せました。
ここに書いているとおり、「フリーランス」って本当に玉虫色だなと毎回調査をするたびに思います。
その実態は実に多様であり、フリーランスの総意というものがあるとは決して思いません。
多様な声を集め、その多様性をそっくりそのまま届ける。それが私たちのスタンスです。
フリーランス協会の政策提言は、常に会員・フォロワーを対象とした調査結果(データ)を論拠にしています。
フリーランスの声を集める→政府に届ける→制度設計に協力する→政策を周知する。
真摯にこのサイクルを回し、私情や主観を挟まず、あくまでデータ(会員の声)に忠実な代弁者に徹するのが、当協会の使命だと考えています。
まだフリーランス協会の輪に入っていない方は、次回の調査でぜひ声を聞かせてください。どんな声でもウェルカムです。
政策提言
▼フリーランス新法
昨年もいろんなことがありましたが、昨年最も力を入れたトピックを挙げるとすれば、フリーランスと発注者との契約ルールを整備する「フリーランス新法」でしょうか。
具体的な方向性は解説記事をご覧頂きたいですが、ようやく立法まであと一歩というところにきました。臨時国会で時間切れになってしまったのは残念でしたが、今年の通常国会での成立を目指し、引き続き粘り強く働きかけていきます!
▼インボイス制度
インボイス制度も、広範なフリーランスに大きな影響が出る非常に注目度の高いトピックです。私自身も一人の免税事業者なので、大なり小なりの影響を覚悟していましたが、昨年末は、インボイス登録のため新たに課税事業者になることを選択した人が納税する消費税額が、売上高の約5%*から約2%に軽減される負担軽減措置「2割特例」が話題になりました。財務省からは、フリーランス協会会員の皆様にご協力頂いた調査結果やフリーランス協会からの申し入れも踏まえて、今回の特例を検討したと聞いています。
*簡易課税制度利用時
今年は、昨年末に設置した「インボイストラブル通報BOX」に寄せられた情報に基づき、消費税転嫁拒否や買いたたきを無くし、フリーランスに対する報酬の相場を押し上げていくことを目指します。たまに「フリーランスは益税を得てきたからズルい」と主張する人がいますが、免税事業者の益税の恩恵を受けているのは、フリーランス自身ではなく、益税の分だけ発注額をディスカウントできていた発注者の方です。本来は右から左に渡すだけの消費税を納税すると食べていけなくなるほど低い報酬がまかり通っている業界や発注者についてしっかり問題提起し、政府にも対策を求めて参ります。
▼出産に関するセーフティネット
また、とっても嬉しかったのは「出産に関するセーフティネット」に関する2つのニュースです。一つは、産前産後4か月間について国民健康保険の保険料を免除する検討が進んでいること。もう一つは、フリーランスや自営業者向けの育休期間中の給付の創設が検討されていること。(詳細はこちら)
私たちが2017年に実施した「フリーランス・経営者の妊娠、出産、子育てに関する調査」によれば、フリーランスや経営者の女性の6割が産後2か月以内に仕事復帰しており、背景にセーフティネットの脆弱さがあります。少子化ノンストップなニッポンですが、フリーランスという働き方が子どもを育てることだけでなく、生むことにとっても、前向きな選択肢であれると良いなと願っています。
▼働き方に中立な社会保険制度
出産のセーフティネットに前向きな兆しが見えた一方で、昨年末に報告書がとりまとめられた全世代型社会保障構築会議では、「勤労者皆保険」と言っても、あくまでフリーランスのうち「現行の労働基準法上の「労働者」に該当する人」と「被用者保険の適用が図れそうな人」について、社会保険の適用の在り方を整理するとされています。
しかし、それでは、ほとんどのフリーランスは蚊帳の外のままです。私は、「働き方に中立な社会保険制度」の実現のためには、企業と個人を紐づけてその長期的結びつきを優遇する社会保障制度からの脱却が必要だと思っています。(詳細はこちら)
現行法に照らせばラディカルなことを言っている自覚はありますが、人生100年時代と言われる中、高齢者や女性や障がい者も含めて、誰もが幸せに働き続けるために、全ての人間が等しく背負うライフリスクのセーフティーネットは、働き方に依らないポータブルな社会保険であってほしいと考えています。
現在の子供たちの世代以降に向けた中長期的な視点に立ち、日本の社会保障制度をサステナブルなものにしていくためにも、国民的な議論を促していきたいです。
▼副業フリーランスの所得判定
昨夏に突如、蜂の巣をつついたような騒ぎになったのが、「収入金額が300万円を超えない副業は雑所得になる?!」という所得税基本通達の改正案でした。フリーランス協会としても、所得区分の判定がフリーランスや副業ワーカーの意欲を削ぐことなく適切に行われるようにとの思いからパブリックコメントを提出しましたが、他にも7000件を超えるパブコメが寄せられたとのことで、結果として、ちゃんと帳簿書類を保存していれば300万円以下の副業でも事業所得になる、という結論で事なきを得ました。(詳細はこちら)
▼業界ごとの下請環境整備
フリーランスに支えられているといっても過言ではないソフトウェア業界と放送コンテンツ業界における下請イジメを無くしていくため、実態調査の設計やヒアリング等に協力しました。引き続き、動向を注視、必要に応じて協力していきます。
キャリア支援
昨年4月から、一人で悩みがちなフリーランスがいつでも気軽にキャリアコンサルタントにアクセスでき、自らのキャリアを見つめて一歩踏み出せるように、「フリーランスキャリアドック」を提供開始しました。
一般会員は、フリーランス協会がキャリアカウンセリング料金の一部を補助することで、一般的な相場より格安の4000円で、「フリーランス&パラレルキャリア支援アドバイザー(国家資格キャリアコンサルタント有資格者)」による個別キャリア相談を受けることができます。
まだ受けていないという方は、新しい年を迎えたこのタイミングで一度、自分のキャリアと向き合ってみても良いかもしれません。皆様にとって、今年が更なる飛躍の一年になりますように!
求人ステーション(ジョブ創出)
求人ステーションは、フリーランス(プロ人材・副業人材)に仕事を依頼したい企業向けの相談窓口です。フリーランスの活躍の場をもっと広げ、安心して働くことができる環境を作るため、2020年から運用しています。3期目となる2022年度は、23社27サービスが厳正なる審査をクリアした認定事業者になりました。
毎年更新している「フリーランス・副業人材サービスカオスマップ」も、どんどん掲載事業者が増え、フリーランスのマッチング市場の勢いを感じます。
フリーランスと良い関係性を築いて成果を出した企業事例を発掘するフリーランスパートナーシップアワードも昨年は4回目となり、初の試みとして審査員特別賞を設けました。特別審査員を務めてくださった慶應義塾大学SFC研究所上席研究員の高橋俊介先生、NewsPicks執行役員 CCOの佐藤留美さん、ありがとうございました!そして受賞者の皆様、誠におめでとうございました!!
パラレルキャリア・セカンドキャリア支援
キャリア自律が求められるのは、フリーランスだけではありません。フリーランス協会では「誰もが自律的なキャリアを築ける世の中へ」というビジョンに基づき、従業員の意識改革やキャリアサポートを推進したい企業様向けのキャリア自律研修も行っています。おかげさまで、幅広い世代の従業員がいる大企業を中心にご依頼をいただくことが増えています。
今年は、2019年に実施した副業解禁企業のヒアリング調査を、あらためて実施すべく準備を進めています。
地方創生
一昨年に続き、徳島県の関係人口創出に取り組んでいます。ワーケーション先としての魅力を開拓した昨年度に続き、今年度は、複業先や移住先としての徳島県の魅力に着目。「縁もゆかりもない徳島県と、仕事でつながる“ご縁”をつくろう!」と題して、1月26日にオンライン、2月10日にオンサイト(渋谷)で、徳島県の事業者とつながれるイベントを開催します。
また、伊豆高原、岐阜、奈良、富士五湖、能登など、日本各地のワーケーションを取材し、フリーランス視点での楽しみ方を発見してきました。今年も、全国各地からのお声がけ、お待ちしております!
イベント
ニュースやお堅い解説記事だとちょっと理解しかねるけど、実はとっても大切なテーマについて、当事者目線での分かりやすさにこだわって毎回試行錯誤しながら企画している「フリーランスなら必ず知っておきたいシリーズ」のセミナー。確定申告の基本のキ、時短記帳術、進化するe-TAX、報酬トラブルを避ける・戦う・取り返すノウハウ、インボイスなど、昨年も様々なテーマで開催しました。
また、11月には2年半ぶりのスナック曲がり角を開催!コロナ前からの常連さんが「待ってましたー!」と喜んでくださったり、この2年の間に新たに会員になった方から「こういう交流の場がずっと欲しかった」と言っていただけたり。次回は2月17日です!
そして、スナック曲がり角でやっぱりオフサイトのイベントって求められているんだなと再認識したこともあり、今年は全国へ「スナック曲がり角」を出張していきたいと思います。4月以降になると思いますが、各地域の会員の皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
情報発信
オウンドメディア「フリパラ」では、税務、法務、労務、マネーなどの解説記事から、仕事獲得、本や映画のレビュー、占いまで、フリーランス視点で多彩な情報を発信中!さまざまなスキルを活かして活動する事務局メンバーのこともぜひ知ってもらえたらと、「突撃!フリーランス協会 中の人」という連載も始めてみました。
今年も続々といろんな情報を発信していきます!腕に覚えのあるライターさん、漫画家さんからの売り込みも歓迎ですよー!
事務局運営
昨年は、フリーランス協会の組織運営に関する講演のご依頼も、ちょこちょこ頂くようになってきました。
全国各地に散らばる形で37名の事務局メンバーがいるのですが、フリーランス協会はフリーランスの当事者団体なので、事務局も若干名の雇用(指揮命令を伴うアシスタント職)を除き、デザイナー、イラストレーター、エンジニア、編集、ライター、マーケター、プランナーなど、様々な職種のフリーランスで構成されています。
私たちの組織の特徴を列挙すると、こんな感じです。
#正社員ゼロ
#フルリモート
#全員複業
#ほぼ全員業務委託
#全員一律報酬単価
#目標無し
#評価なし
#ヒエラルキー無し
#ジョブ型
#プロジェクトベース
#やれる人がやれる時にやれることをやる
それで組織が成り立つの?とよく驚かれるのですが、我々も試行錯誤を重ねて行き着いたのが今の形です。
2年前の春にそれまでこだわってきたプロボノ組織から卒業し、全員業務委託契約に切り替えた当初は多少のハレーションもありましたが、それ以降は設立当時から自分たちを実験台として目指していた「自律的な個の集まり」を心地良く体現できている気がします。
これからはこうした組織(またはこうした組織を作りたいリーダー)が増えていくと思うので、今年は少しずつ、フリーランス協会の実験で蓄積してきた知見を世の中に還元できたらいいなと思っています!
ということで大変長くなりましたが、今年も事務局一同、「誰もが自律的なキャリアを築ける世の中へ」向かって、それぞれの持ち場で頑張っていきますので、何卒宜しくお願い申し上げますmm