プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会

【年頭ご挨拶】2023年の振り返りと2024年のご挨拶

あけましておめでとうございます。ヒラマリです。

今年は能登半島地震、羽田空港での衝突事故と、波乱の幕開けとなり、未だ混乱が続いています。被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早く平穏な日々が戻ってくるようにお祈り申し上げます。(協会公式SNSでも微力ながら年始に寄付先をご案内を申し上げたほか、昨日からは石川県の義援金受付も始まっています。被災地のためにできることを模索されている方の参考になりましたら幸いです)

当たり前の日々が、決して当たり前ではないことに改めて気づかされ、今年も一日一日を大事に過ごしていこうと意を新たにしたところですが、本記事では、2023年を簡単に振り返りたいと思います。

フリーランスに関わる2024年の5大トピックスについては、こちらのフリパラ記事にてお話ししていますので、良かったら併せてご覧ください。

昨年も、個人・法人の会員の皆さまを始めとする多くの方のおかげで、多方面に渡り活動することができ、誠にありがとうございました。

ここからはトピック別に振り返りますので、興味があるトピックを中心にお読みください。もちろん、全部読んで頂けたら泣いて喜びます。
なお、すべての活動やイベントは紹介しきれないので、主なものに限っています。関係者の皆様は悪しからずご容赦ください。

フリーランス人口規模と会員総数

昨年9月には、総務省が基幹統計として初めて「就業構造基本調査」でフリーランスの数を把握し、本業フリーランスが209万人、副業を含めれば258万人という発表をしました。この調査での「フリーランス」の定義はフリーランスガイドラインの定義に準拠したとのことで、2020年に内閣官房が発表したフリーランスの試算人数462万人(本業214万人、副業248万人)とは乖離がありますが、いずれにしても、フリーランスの存在が注目され、実態を本格的に理解しようという動きが進んでいると言えます。

そんな中、フリーランス協会の会員総数は昨年11月に10万人を突破し、昨年末(12月31日現在)では102,121名となっています。

私たちの活動を支えてくださっている一般会員(有料会員)は16,161人となり、ベネフィットプランの提供や求人ステーション等で連携する法人会員は238社です。

会員総数とは、一般会員・無料会員・SNSフォロワーの総数で、「私たちの実態調査の調査票が何人に届いているのか」という指標です。なぜ私たちにとってこの指標が一番大事なのかについては、こちらの10万人突破リリースでも書いていますが、今年も引き続き、より多くの、より多様なフリーランスの声を集めて社会に届けられるよう、会員・SNSフォロワーの皆さん向けのサービスや情報発信を充実させ、会員総数の拡大に努めてまいります。

ベネフィットプラン

昨年2月には、それまで一般会員だけの特典としていたベネフィットプランの大半を、無料会員でも使えるように変更しました!私が言うのもなんですが、もはや無料会員でも十分に充実した特典が受けられるようになっております。

そして、会員が増えれば増えるほど実現できるベネフィットが増えていくので、無料会員でも使える「スタンダードベネフィット」と、一般会員だけが使える「プレミアムベネフィット」のいずれも、毎年ちょっとずつバージョンアップしています。

昨年、SNSなどで特に話題にして頂いたものですと、スタンダードベネフィットとしてはUdemyを含むIBM Skills Buildの使い放題デル・テクノロジーズ製品の特別割引などがありました。プレミアムベネフィットとしては、Zoomライセンスの特別割引&アップグレードの反響が大きかったです。

今年も、新たなベネフィットを拡充できるように準備しておりますので、お楽しみに!

政策提言

昨年の一番大きなトピックスと言えば、やはりフリーランス新法の成立でしょうか。成立までの経緯や背景課題、新法の内容などは、成立時に行った記者会見資料や、テレビ東京の解説番組をご参照頂ければと思いますが、ゼロイチで法律を作るために、これほど多くの人が関わり、これほど長い時間をかけて、慎重に議論がなされるのかというのを身をもって学びました。成立に向けてご尽力くださった全ての方に、深く御礼申し上げます。

実は、法律が成立した後も、公正取引委員会と厚生労働省それぞれにおいて、法律の下位ルールである政省令を定める検討会が開催されています。私も末席で委員を拝命しておりますが、そこでも業界別に、多数のフリーランスや発注者の団体にヒアリングさせて頂いた上で議論を重ねてまいりました。

議論の経緯も公開されていますが(特定受託事業者に係る取引の適正化に関する検討会特定受託事業者の就業環境の整備に関する検討会)、1月中には両検討会ともに報告書案の公開とパブコメ募集が始まる予定なので、そのタイミングで改めて解説記事を書こうと思います。

その他にも、フリーランス新法の附帯決議となっていた労災保険の特別加入制度の拡大法人登記における代表者の個人情報保護、インボイス導入でフリーランスが不利益を被らないための報酬適正化や価格転嫁雇用型副業の労働時間通算といったテーマでも、政府検討会での発表や提言の提出、啓発キャンペーン等を実施しました。
特に、公明党の税制調査会でインボイス導入に対する適切な情報提供と価格転嫁の重要性を訴えた時は、SNSで広く賛同RTで拡散され、その影響なのか会員になってくださった方が急増して驚きました。

なお、法人登記における代表者の住所を非開示にする改正案について、1月25日までパブコメ募集中ですので、ぜひ賛同の後押しを送って頂けると助かります。

調査・白書

昨年3月に公開した「フリーランス白書2023」では、普段の定点観測設問に加えて、発注先との関係性や時間単価といった新たな設問を加えたほか、ファイナンス地方創生のテーマや、仲介事業者の実態調査も公開しました。地方創生のテーマは、慶應SFCの清水たくみ研究会の学生さんたちと共同調査という形で、設問設計や分析を一緒に行ってもらいました。

また、「フリーランス白書2024」に向けた調査は、6~7月と10~11月の2回に分けて実施しました。

前半の調査では、5月に政府が出した「三位一体の労働市場改革の指針」のリスキリングの項目の中に、「フリーランスの方々にも、柔軟で多様な訓練機会を提供する」という文言が入ったことを受け、スキルアップに関するニーズを明らかにしようとしました。また、4月のフリーランス新法成立の附帯決議に労災保険の特別加入制度の拡大が入ったので、労災加入意向や健康診断の受診頻度なども聞きました。

後半の調査では、10月からのインボイス制度施行の影響や、フリーランス新法の認知度や期待フリーランス同士の取引実態、労災となるような業務起因の負傷や通院の経験について調査しました。
インボイス制度施行の影響については、皆さん気になっているところかなと思いましたので、12月に集計速報を公開しています。また、労災保険に関連するデータは厚労省の労災保険部会で発表し、特別加入制度の拡大検討に活かして頂きました。

フリーランス白書2024の全データについては、今年の2~3月に発表予定です。今しばらくお待ちください。

ジョブ創出

フリーランスの活躍の場を広げる活動として、企業向けにフリーランス活用をお勧めしたり、求人相談に乗ったりしているジョブ創出プロジェクト。

企業向けのフリーランス求人支援サービス「求人ステーション」も昨年は4年目となり、23社29サービスに参画して頂きました。フリーランス・副業人材サービスのカオスマップも、フリーランスマッチング市場の広がりと共に、毎年カオス度が増しています(良い意味で)。

また、第5回目となった「フリーランスパートナーシップアワード」も、文字通りフリーランスと発注者のイイ関係が見えて心温まる授賞式でした。あらためまして、受賞者の皆様おめでとうございました!

また、前身の事業も含めると2019年からお手伝いしている関東経済産業局の「地域の人事部」事業も、5年目になりました。地域の人事部とは、自治体や商工会議所、地域金融機関、民間団体などがそれぞれの強みを活かし一丸となって、地域の中小企業の多様な人材活用推進する体制です。これまで関東圏内の8自治体において立ち上がり、実証実験も兼ねて取組みが進められてきましたが、2024年度以降はそれが他の地域にも横展開できるよう、知見の整理が進められています。
様々なステークホルダーが各所で頑張っている事業ですので、当協会の貢献は微々たるものですが、とても大切な取り組みだと思うので、ぜひ全国に広まってほしいと思います。

それから、主にフリーランスと取引する発注者や仲介事業者向けに「偽装フリーランス防止のための手引き」を作成中です。求人ステーションに参加している仲介事業者の皆さんにも協力頂きながら半年ほどかけて作成を進めてきて、今月中には公開したいと思っています。
フリーランス人材を活用しようにも労働者性の判断基準が分かりづらいために躊躇している企業や、既に活用しているが悪気なく労働者の扱いをしてしまっている企業向けのご参考になればと願っております。

キャリア支援

昨年は、厚労省がキャリコンサルタント有資格者向けに提供している「中長期的なキャリア形成を支援するためのキャリアコンサルタント向け研修」の一環として、フリーランスや副業で働く人のキャリア支援をテーマにした研修の開発が新たに進められ、私も検討委員会の委員としてお手伝いしてまいりました。
これまで長らくは厚労省が「キャリア」と言えば雇用の仕事を指していたわけですが、フリーランスや副業も含めた多様な働き方が一つのキャリアと認められ、厚労省の研修のテーマとして採用されたことに、大きな時代の変化を感じ、嬉しく思いながらお手伝いしておりました。
おそらく来月までには受講申込が始まると思いますので、キャリアコンサルタントの方はぜひこちらのページをチェックしてみてください。

また、会員向けベネフィットプランの一環として提供している、フリーランス向け個別キャリア相談サービス「フリーランスキャリアドック」も、おかげさまで少しずつご活用頂いています。その担い手となる「フリーランス&パラレルキャリア支援アドバイザー」の養成講座も、コロナ禍でしばらく間を空けてしまいましたが今年は再開したいと思っています。

また、今年2月には、これから独立や副業でフリーランスデビューを考えている方向けのスターター講座を開催します。定員を20名にしていたのですが、SNSでも周知したところ予想を超えて70名以上のお申し込みがあり、反響の大きさに驚いています。今後、定期開催できたら良いなと思っています。

パラレルキャリア推進

会社員向けの法人研修として、キャリア自律支援プログラムを提供しているプロジェクトです。守秘義務も絡むので、あまり活動報告ができていないのですが、おかげさまで副業を解禁した/する企業様や、キャリア自律支援やセカンドキャリアの準備支援をしたいという企業様からコンスタントにお問合せを頂き、各社様のニーズに合わせてカスタマイズした研修をご提供しています。

それに関連して、リクルートキャリアコンサルティングの「ネクスト・キャリア支援サービス」の登録者様向け研修も定期的に担当させていただいております。

また、副業解禁した企業のホンネや知見をシェアすべく、副業解禁企業の担当者インタビューもフリパラで不定期更新しています。今年も引き続きいろんな企業のお話を伺いたいです!

地方創生

3年目となる徳島県の関係人口創出プロジェクトは、今年もリアル・オンラインでイベントを開催しているほか、漫画家の川口真目さんに徳島親子旅のレポートマンガを描いて頂いたりしています。

その他にも、さまざまな自治体からワーケーション推進のご相談を頂いて、企画や広報のお手伝いをしています。

イベント

昨年はなんといっても、4年ぶり2回目のIPF(Independent Power Fes)が開催できたのが良かったです。おかげさまで、参加者の皆様からも大変好評をいただきました。あらためて、素晴らしいお話を聞かせてくださった講師陣の皆様、運営をサポート頂いた皆様、大変ありがとうございました!

価格交渉術、SNS発信術、文章力、企画力、ファッションの装い力、セルフブランディングなど様々な観点から多彩な講師陣に素晴らしいセッションやワークショップをご提供頂きましたが、そのエッセンスはフリパラでも順次公開していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

そしてIPF2024は、11月1日に東京・原宿で開催予定です。今年も乞うご期待ください!

また、昨年はスナック曲がり角の全国行脚に挑戦しました!2月の東京、6月の神戸からはじまり、福岡大阪仙台徳島、逗子、沖縄(宮古島・那覇)と、全国9カ所で開催!(神戸と逗子のイベレポ公開できてなかったことに気づきました。ごめんなさい!)
会員の皆さんにお会いできて嬉しかったことはもちろん、励みになるようなお言葉を沢山頂き、勇気づけられることばかりで有難かったです。今年も体力の続く限り、全国行脚を続けたいと思います!

昨年初めて開催した賀詞交歓会も、今月10日に開催予定です。東京は満席ですが、大阪・福岡はまだ少し余裕がありますので良かったら是非ご参加ください!

情報発信

昨年は6月に日経BP社より発刊された『フリーランス&副業で働く!実践ガイド(日経ムック)』を監修させていただきました。これからフリーランスになる人も、既にフリーランスとして長く活動されている方も、知っておきたいエッセンスを凝縮してもらって、おかげさまで好評です。

フリーランスによるフリーランスのためのお役立ちメディア「フリパラは昨春から編集部を増員し、毎週コンスタントに1~2本の記事が公開できるようになりました。おかげさまでnoteのフォロワーも2,200人を超え、note公式でもたびたびピックアップされています。

また、フリパラの記事を始め、旬のフリーランス関連ニュースをタイムリーにお届けすることを信条としているメルマガも、開封率が常時40%前後を推移しており、スナック曲がり角などでも当協会のメルマガに価値を感じてくださっている方が非常に多いことを実感しています。

フリーランスにとって情報収集はめちゃくちゃ重要なのですが、一人でアンテナを広く張り続けるのもなかなか難しいので、今年も「とりあえずフリーランス協会のメルマガを読んでおけば大丈夫」と言われ続ける存在を目指して、毎週コツコツ配信したいと思います。

というわけで、今年も長くなってしまいましたが、最後までお読みくださった皆様、ありがとうございました。

フリーランスで働く人々がより安心して、より快適・お得に、在りたいワークスタイルやライフスタイルを実現するために、ちょっぴり微力ながらでも貢献できていたら嬉しいなと思いながら、今年も元気に活動して参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

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